
上司への「枕営業」で勝ち組になった40才。そんな彼女が辿った末路は…【エリート銀行員たちの不倫事情】後編
賢一さんは『駅まで送るよ。一緒に歩こう』と言いました。店を出て、二人で駅に向かって並んで歩いていると、彼は声を小さくして聞いてきました。『で、人事異動の話だろ?』と。
驚く梓さんに、彼は続けました。『カウンターの席にしたのは、周りから怪しまれないためだよ。シェフが証人になってくれるしね。個室にすると、噂が立った時に面倒だ。東京は意外と狭い街だからね』と。
東京に本社があるメガバンクの人事部副部長となれば、周囲の目を気にする必要があります。彼女は感心すると同時に、自分の行動のうかつさを恥じました。
『近くに家を買ったんだ。この辺りはあんまり物件が出ないんだけど、最近見かけてね』と彼は続けます。
『ローンを組んだら銀行にばれるんじゃないの?』と梓さんが聞くと『全部キャッシュで買ったよ』と彼は微笑みました。全て手に入れた男が見せる特有の、余裕のある笑みでした。
辺りに人がいないことを確認して、彼はタクシーを拾うために手を上げました。そして、タクシーを降りた場所は、都心の高級住宅街らしく、感じの良い一軒家でした。それほど広くはありませんが、シンプルな装飾と上質な家具で、心地い良い空間が広がっています。
リビングのソファに座ると、賢一さんがジンソーダを作って持って来てくれました。彼は『A支店の法人第一課、B社の稟議をよく見ると良い』と言います。『B社は本当はラブホテルなのに、ビジネスホテルだと偽って融資をしてもらってる。それを見破れば、融資部内で梓さんの評価が上がるだろう』と。
ちょうど良いわ、と彼女は思いました。A支店の法人第一課では、梓さんの嫌っている女性が課長を務めていたのです。早稲田を出て、明るく誰からも好かれる同期です。彼女は早々に行内結婚し、息子は二人とも早稲田中学に入学していました。
梓さんの心の内を知ってか知らずか、賢一さんは続けます。『次に次長へ上がるのは、彼女か梓さんか、どちらかと言われている。彼女が結果を出さなければ、君が上がるよ』と。
それで梓さんの心は決まったようなものでした。
そして二人は近づき… 次ページ
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