「鰻」の音読み、知っていますか?今回は「うなぎ」じゃないよ。【漢字クイズ】
「マン」です。
「鰻」の字義
うなぎ。ウナギ科の魚。体は円筒状で細長い。淡水魚であるが、深海で卵を産むとされる。美味で栄養価が高い。古称、むなぎ。
出典:新漢語林 第二版 大修館書店 電子辞書版
「鰻」の解字
形声。魚+曼(音)。音符の曼(マン)は、長くのびるの意味。長い魚、うなぎの意味を表す。
出典:新漢語林 第二版 大修館書店 電子辞書版
みなさんもご存じのように、鰻は細長い体長の魚。
「魚」と(長くのびるという意味を含む)「曼」を組み合わせて「うなぎ」を表すのはおもしろいですよね。
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「鰻」(マン)を含む熟語
「鰻」(マン)を含む熟語の1つに「養鰻」(ようまん)という言葉があります。
ウナギを養殖すること。「―業」
出典:広辞苑 電子辞書第六版 岩波書店
派生語として「養鰻業」と「養鰻場」も覚えておきましょう。
江戸時代の人たちも「鰻」が大好きだった
江戸時代の人たちの食生活は私たちとそう変わらないことをご存じでしょうか。
江戸っ子は天ぷらや寿司、蕎麦など、私たちにとって身近なものを食べていました。鰻もその1つです。
鰻にはいくつかの調理法がありますが、その中でも「蒲焼き」がもっともメジャーですよね。そんな蒲焼きですが、竹串を鰻の口から尾まで通して焼くときの見た目が「蒲の穂」に似ていることが名前の由来だそう。
江戸っ子たちは鰻が大好きで、江戸の海だけで獲れる分では足りなくなることもありました。利根川などで獲れた鰻が江戸に運ばれ、不足分を補っていました。しかし、江戸っ子は江戸の海で獲れた新鮮な鰻の方を好む傾向にあったそう。
現代では鰻はごちそうの代名詞ですよね。しかし、江戸時代において鰻や天ぷらは現代でいうファーストフードのようなものでした。屋台で気軽に購入でき、庶民も口にできました。
現代では、鰻を購入するだけの余裕がなく、鰻もどきのかまぼこや鰻のタレで、鰻を食べたことにしている方も多くいます。
江戸時代においても庶民間で格差があり、すべての庶民が鰻を口にできたわけではないでしょう。
とはいえ、鰻や天ぷらを屋台で気軽に食べられる社会というのも興味深いですよね。
「土用の丑の日」に鰻を食べる習慣をつくったのは平賀源内
現代でも土用の丑の日に鰻を食べる習慣があります。この習慣をつくったのは平賀源内(ひらがげんない)です。
彼は香川県の生まれで、江戸時代の本草学者、戯作者として評価されています。
また、田沼意次(たぬまおきつぐ)の知遇を得て、長崎に遊学した経験もあります。殖産興業のための陶器や織物の考案、鉱山関係の事業など幅広く手掛けていました。
「土用の鰻」の習慣は、源内がなじみの鰻屋を流行らせようと考えた広告によって広まったそうですよ。
※問題解説:オトナサローネ編集部
(意味や語源などは諸説ありますが、広く一般に知られているもので解説しています)
参考文献:山本和由『鯉釣り』、松沢陽士『錦鯉を創る: 新潟から世界へ』
PHP研究所 『雑学3分間ビジュアル図解シリーズ 徹底比較 江戸と上方』
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