20人に1人が発症!女性に多い「緑内障」。更年期・老眼と見分けるポイントは?
Q.50代を間近に控えていますが、多少の見えづらさはしかたないものでしょうか?
更年期を迎えると、卵巣の機能が低下し、女性ホルモンのエストロゲンが急減します。
エストロゲンが減少すると、目の水分量や粘膜、涙の分泌量が減り、ドライアイや眼精疲労が起こりやすくなります。
また、40代以降は老眼の可能性も。加齢によって目のレンズにあたる水晶体の弾力性が弱まり、水晶体の厚みを調整する毛様体筋という筋肉も衰え、近いところにピントを合わせづらくなります。
しかし、目の不調はそれ以外にも「緑内障」という病気が関連している場合もあります。
Q.「緑内障」はどんな症状ですか?
緑内障は、「40代以降の20人に1人が発症している」(※1)といわれる目の病気の一種です。徐々に目の視野が狭くなっていき、治療が遅れると失明の原因に。
初期症状がなく、少しずつ視野の欠損範囲が広がっていくので自覚しづらい病気です。
9割が顕在化していないともいわれ、眼圧が上がって痛みを感じる場合や、他の病気が原因になる場合など、原因はさまざまです。
見えにくさの代表といえば「老眼」ですが、「視野が欠ける」緑内障と、「視力が低下する」老眼は根本的に異なります。
緑内障は見える範囲が狭くなりますが、老眼は目の焦点が合わせづらくなり、ものが見づらくなるのです。
そして、混同されやすい症状に「白内障」があります。
白内障は、水晶体が濁り、目のかすみ、ぼやけ、光を眩しく感じるなどの症状が起こる病気です。
白内障がおこる原因はさまざまですが、主に加齢が理由に挙げられます。
Q.緑内障を早期発見するにはどうしたらいいですか?
緑内障は早期発見が重要です。
早期の段階で発見することで、治療を早くスタートし、その分進行を遅らせることができます。
まずは眼科で検査を受けましょう。
緑内障の検査は、眼圧検査、眼底検査、視野検査が行われることが一般的ですが、人間ドックや定期検診の場合は、眼底検査が行われない場合もあります。
とくに、慢性緑内障の場合、眼圧が高くない場合が多く、眼圧検査だけでは判断できないこともあるので、なるべく眼底検査が含まれる検査を受けましょう。
Q.緑内障の予防方法はありますか?
緑内障の原因は明確になっておらず、予防法も確立されていませんが、眼圧を上げないように日常生活から気をつけることである程度進行を遅らせられるといわれています。
また、眼圧や血流は、自律神経の影響を強く受けます。
食事、運動、睡眠など、生活習慣をきちんと整え、自律神経の調子を崩さないようにしましょう。
うつ伏せ姿勢や、首元がキツい洋服は眼圧が上昇する原因になります。
スマートフォンやパソコンなどで目を長時間酷使するような習慣もなるべく控えましょう。
【前編】では、50代になったら多少の見えづらさはしかたない? 老眼と「緑内障」の違いは? どんな症状?…についてお伺いしました。
▶つづきの【後編】では、日ごろからやっておくべき目のセルフケアとして、ツボや漢方薬の取り入れ方について教えていただきます。__▶▶▶▶▶
<この記事を書いた人>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/
【参考】
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