
不倫関係だった年下彼への執着。32歳の彼女が彼に会いたい「本当の理由」とは…(後編)
「不誠実」なのはお互いさまだからこそ
「ちゃんとした人なら、こっちが黙っていても返してくれるでしょ」
「うん、それは思った。その香水が私のお気に入りなのもわかってるんだし、普通は別れたときに返すよね。そうしなかったってことは、その程度の人なんだと思う」
凛子の言葉は、おそらく自分に言い聞かせているのだと感じた。「その程度の人」、その評価は不倫という不毛な関係を結んでいた自分にも返ってくる。
「そうだよ、さっさと忘れるのがいいよ」
香水を取り戻すことが、凛子の本当の目的ではない。それでも、不誠実な相手を見て自分まで新しく嫌な記憶を残すような言動は、嫌悪の向け合いになれば別の問題も生みかねない。
「そうね。あれはまた買えるし……」
その選択肢はとっくにあったのだが、受け入れづらかったのは相手だけが幸せな現実を許せなかったからだ。
「一緒に行くよ」
そう言うと、凛子がこの電話で初めてふふっと笑った。
「香水のコーナーは苦手なくせに」
「マスクするし」
受け入れるしかない、と自分自身が思えてやっと、肩の力が抜けるのかもしれなかった。
その「現実」を誰かに指摘されれば、いつか不誠実なのはお互いさまなのだと嫌でも気がつく。今の凛子に必要なのは、存在を押し付けることではなくみずからが「無関心」を選ぶことだった。
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