岩井志麻子 40代、美人じゃないのに「色気がある」秘密とは

2017.11.28 LIFE

色気。

それは本当にありふれた言葉やありきたりな感覚として消費され身の周りに転がっているものであるにもかかわらず、深い謎と魅惑に満ちたものである。

色気がある。色っぽい。セクシー。

これらはヘタすりゃセクハラにも結びつくが、カッコいい、キレイよりも実はいわれてうれしい、素直に受けとめられる誉め言葉となる。

 

「色気がある」といわれると

私もお世辞でキレイなどといわれれば変に照れたり、警戒心すら持ってしまうときもある。

なのに色気があるなんていわれれば一応は謙遜はしてみせても、「本当の私を見てもらえた」と上気し、「この人は見る目がある」と単純に喜ぶのはなんなんだ。

外見を表しているようで内面を指している、と解釈できるからか。わかりやすい見た目ではなく、人となりを見ぬいてくれたと持っていけるからか。

 

美男美女=色気じゃない

あからさまに露出度の高い格好の人や、「そう見られたいんだな」と一目でわかる筋肉の強調、濡れ濡れグロスの唇半開きなどを、「ああいうのは逆にセクシーじゃない」といい、地味な格好の大人しい人やきちっとした制服の人を「ああいうのがたまらない」といえば、いわれた側ではなくいった人が「色気を理解する大人」に見えてくるしな。

あと美男美女なのに色気がない、美男美女じゃないのに色気がある、といういい方やとらえ方は、様々な決定打になる。

どちらも、美男美女でない己を慰め励ましてくれるし。

 

美人じゃないのに「色気」のある女

さて。

ともに四十代独身で同じ職場にいるN子とC美だが、N子はものすごく美容や外見に気を遣って整形も繰り返し、セクシー系の高級ブランド品で固めている。

C美はよくいえば大らか、悪くいえばガサツ、ほとんど化粧もせずラフな格好しかしない。

N子は人工ではあるがパッチリ目に高い鼻、とがったアゴ、美人の黄金律を備えている。

C美は天然の細い目に団子鼻、下ぶくれ、パーツそのものは美人の基準からは外れる。

なのに男はみんな、C美をたまらなく色っぽくて可愛いと寄っていき、N子はなんか色気がなくて怖いと敬遠する。

 

真に惹かれる「色気」とは

それは私も同意だ。

理由はシンプルで、C美は素直に男が好き。N子はとにかく自分自身が大好きすぎて、他人が入れる余地がないのだ。

 

色気って隙だから、人は隙に惹かれるし、隙があると見られれば、自分は人を受け入れる余裕がある、とにんまりしてしまうのかな。

にんまり、って色気のある笑いよね。

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この記事は
作家 岩井志麻子

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