「投資してみたいけど、不安なことだらけ」女性ふたりが立ち上げた、庶民のための「理想の資産づくりの場」とは

投資信託を手作りしてみたら……

よし、がんばろう! 2人はすばらしい意気込みでスタートしたのですが、あっという間に壁にぶち当たりました。投資信託は金融商品ですから、好き勝手に作って売り出すことはできません。最初に金融庁の認可をもらわなければならないのです。

独立系直販投信の先輩、さわかみファンドの澤上篤人会長の助言を受けつつ、さっそく金融庁通いが始まりました。先方もびっくりしたでしょう。金融業界未経験の女性たちが「浪花おふくろファンド」という名前をひっさげて乗り込んできたのですから。

「金融庁の担当者が呆れた顔で『誰がファンドをやるんですか?』と聞くので、私たちですと答えたら、『社労士と税理士が何でファンドをやるんですか?』と。投資は怖いなどと言われていて、なかなか広がらない。自分たちが住んでいる地元で長く信頼できる投信会社をやって、もっと投信を身近なものにしたい。月1万円ずつ、コツコツ積み立てをして、個人の財産づくりのお手伝いをしたいんです。そうやって一生懸命に言ったら、『あのね、準備とかいろいろあるんですけど、知ってますか』とか、厳しく言われるわけです」( 中井さん)

投資信託会社の本社というのは東京二十三区以外にはないし、地方で会社を興すなんて異例。

投資顧問業などをやっていて、すでに10億円くらい運用しているなど、実績がある人がここに相談に来る。あなたたちは金融業界出身でもないし、実績もない。

まさにないない尽くしの2人。このままでは投資信託設定なんか、夢また夢です。でも、意欲だけは力強い2人の姿を見て、金融庁担当者もかわいそうに思ったのか、いろいろと助言をしてくれたそうです。

投資信託法など、勉強すべき法律や作成する必要のある書類、ファンドの形態、運用方針などの基本。さらに会社に必要な人材として、内部監査をするコンプライアンス担当者、ファンドマネジャー、監査役が必要なこと等々。まさにやるべき事山積みです。

それでも鉄の意志で邁進した2人。人材探しから始まり、細かな経営計画を立て、金融商品取引法などの法律への対応も行い、スタートから約2年経った2008年4月8日、ついに「浪花おふくろファンド」を設定することができたのです。

友人知人に声をかけ、当初集まった資金は7000万円あまり。金融セミナーをコツコツと続けて、本当の長期投資を理解してもらい、少しずつ顧客を増やしていこう。ついに生みだした「浪花おふくろファンド」と一緒に成長しよう。熱い意気込みで運用がスタートしたのです。

大きな山を越えて、船出をしたファンドですが、実はこの後すぐ、恐ろしい出来事が襲いかかります。

なんとあの「リーマン・ショック」が起こったのです。未曾有の金融危機をどうやって乗り越えたのか。

 

 

続きは、明日16:30配信予定です。お楽しみに!

『投資初心者がやってしまいがちな、下落時の「慌て売り」。実は資産を増やすチャンス⁉』▶ __▶▶▶▶▶

 

 

画像:Fotolia

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