40歳からのおしゃれ論 布好きイラストレーターいいあいが「手仕事の聖地」インドへ赴いた・お買い物編

みなさまこんにちは〜。
今回の40歳からのおしゃれ論は前回に続き、手仕事聖地インドの「お買い物編」をお送りします。

私の中で、心ときめく美しいものを自分の稼いだお金で買うって、人生の中でかなり上位の喜びです。特に、旅先でそれをするのが大好きです。わざわざビザ取って、飛行機を乗り継いで、知らない言葉を話す人たちの中で見つけた美しいものはというのは、宝物っていう気がするから。

服や服飾小物に関してですが、20代の頃はとにかく色々欲しくて、やみくもに買っていました。高いものは怖くて買えなかったし、いっぱい欲しいから、安くてかわいいものをとにかくたくさん。大消費大会。でも歳をとるごとにグラデーション的に買う量は減りつつあり、40歳の現在、なるべく腹の底から好きなものを厳選して買うようになりました。ただ、腹の底から好きかという見極めは、意外と修行や内観に近く、毎回試されています。優雅なショッピングと見せかけて、ギリギリと買い物に挑んでおります。

まあどっちにせよ着道楽の道であることに変わりはなく、この道をひた進むわたくし。今回のインドでも大好きだ!と思えるものをたくさん見つけてきましたよ。

さっそく行ってみましょう〜。
まずは布を作る産業が盛んなインドの西、グジャラート州で購入した美しいものたちです。

ひゃあ〜〜。比較対象に手を入れてみましたが、刺繍の細かさがわかりますでしょうか? 手に持っている3種類の布は、民族衣類の前身頃の一部として実際に使われていた古いものです。少々マニアックな話ですがこれはいずれもジャッド族の刺繍。ジャッド族は、ガラシア、ファラキニ、ダネータリという3部族が存在するそうで、私が手にした刺繍はたまたま、それぞれのジャッド族のものでした。状態も良く一枚1000円ほどの値段に大満足。その奥はアヒール族の刺繍。細かすぎるチェーンステッチで曼荼羅のような図柄を仕上げています。一番下はドロド村の刺繍の名手、ソフィアさんの力作。50cmくらいありますが、これで日本円で6000円弱でした。見ているだけでもハッピーですが、ものは使ってなんぼということで、腕のある人にバッグに仕立ててもらおうかと画策中です。


ちなみに工房での買い物風景はこんな感じ。だいたい工房の横に素敵なショップが併設……されていたりはせず、床にほいほいほいと出して、さあご覧! という感じです。


続きまして、こちらはアジールさんという個人収集家の方のお宅でのお買い物。素晴らしい大ものが多く、感覚が麻痺して手が出ない……な局面もありましたが、トップ画像にも使った70~80年前のアジュラックの敷物を買いました。インディゴとアカネと鉄のシンプルな配色。とてもいい色で気に入っています。12000円ほどでした。当たり前だけれど日本で買うよりはものすごくお安い。


こちらは唯一ショップ然としていた、織りとミラー刺繍のワンカールさんの工房併設のお店。雨季の間に織り貯められた美しい布がずらりと私を待っている! えいやとダイブ。布の山から、ざっくりとした白いコットンに極小ミラーがてんてんと縫い止めたれたストールを掘り出し、購入しました。纏うと小さな光がチラチラ瞬くの。うふふ。

大好きなカリード・カトリさんの工房では、他で見ることのできない自由な雰囲気の手描きアジュラックストールをご本人から購入。彼の布は、カウンタカルチャーとかオルタナティブという言葉も浮かんでくるような力強さです。しかしなぜ、もっとウォールハンギングなどの大作を買わなかったのか私!!

アリ・モハメッドさんの絞り工房では、インドにもここまで素晴らしい絞りがあると知らなかったので大感激。こちらはなんと総絞りの孔雀柄! 同じ技術が日本にあるだけに、柄行きの違いが際立って面白い。欲しかったけれども、どう使えば良いか分からずに悩んだ挙句、断念。絞りの浴衣が大好きなので、いつかここに反物持って行って孔雀柄をオーダーしてみようかしらん。道楽が過ぎますでしょうか。


こちらはワダ族の子供たちが作った人形。埃っぽかったので2回洗濯したらふかふかになりました。左の二人組の人形の真ん中は赤ちゃんの表現。三人家族だね。部屋の壁にぶら下げているのだけれど、見るたびに、ダリッドであり、過去に(現在もかもしれない)大変な差別を受けて来た彼らのことを思い出す。買ってよかった。買い物はものを考えるきっかけもくれるのだ。






ここからは旅の後半。ツアーを離脱し、一人で向かった南インドの大都市チェンナイで見たもの買ったものをお見せしますね。こちらは創業1928年のサリー屋Nalli。インド各都市のサリーや、布をこれでもかと見ることができます。目を見張るようなハイエンド布は置いてないけれど、私にとっては夢のような店でした。緑の地に黄色い花が機械刺繍された布と、レジのおじさんが持っている手織りの素朴なタオルを買いました。タオルは一枚200円ほど。創業85年だそうで、店もおじさんも、大変良い味が出ております。


こちらはチェンナイ随一のおしゃれショップかと思われるアメジスト。グリーンに囲まれた瀟洒な白い二階建ての建物全体がショップになっており、一階にはカフェとパティスリー、花屋さんが入っています。そして二階はめくるめくインドナウなお洋服天国。インドカルチャーの本も置いてあったり、知的な雰囲気が漂います。チェンナイに全部で3店舗あり、それぞれに雰囲気が違いますが、どこもおしゃれすぎるほどおしゃれ、そして高級。お値段は日本のデパートと同じか少し安いくらいです。



同じくアメジスト。西インドで見て来た、ブロックプリントや絞りや刺繍などの技法が、サリーではなく、ワンピースなどの洋服に落とし込まれていて、日本人の私もすぐ着られる形になっていることに大興奮。価格はワンピースで1万円くらいから6万円くらいまでありました。高いけれども同じ価格では日本で作れないだろうなという素材感。たくさん試着して、手仕事が効いた布地がベースのクルタやワンピースを購入。やった〜。興奮した〜。
インドの服は宗教上の理由から、基本的に足と胸元は隠すので露出控えめなデザイン。そしてサリー文化が下地としてあるからか、デザインが洋服に置き換わっても、サリーのようにたっぷり布を使ったり、ドレープを出したりと、布を優雅に使ったデザインが多く、布好きにはたまらないものがあります。

こちらはCHAMIERSのアメジストで買った牛ピアス。牛はシヴァ神の乗り物ですね。真鍮で6000円くらい。う〜ん、高い、高いな。でもかわいい!

アメジストの一階のパティスリーでレモンタルトを持ち帰りにしてホテルでいただきました。毎日、毎食、襲い来るカレー味のことを一瞬忘れて、うっとり。

日本に帰って来てからあーだこーだと連日コーディネート大会を開催しています。インド服は主張が強いように思いますが、色味、色数を抑えるとまあまあ日常的にもいけそうですね。




お次はコスメ! ラグジャリアスアーユルベーダとご自分で名乗っておられるフォレストエッセンシャルズさん。端正な顔立ちのインド青年に「イエスマム?」と微笑みを投げかけられ、ローズウォーターで割ったオレンジのスクラブなど手の甲にかけてもらいつつ店内を物色。オイル系はコールドプレスでアーユルヴェーダに基づいた処方をしているようです。24金入りのビューティーオイルという、なんだかとてもインドっぽい代物と、ザクロとライムの香りのボディミストを気に入り、帰ってきてからも愛用しています。この香り、とっても気分がアガるので宝物の孔雀ポーチに入れて毎日持って歩いるのですが、ミストで3500円弱とインドにおいては確かにラグジャリアス価格。ここ数年のインフレで値段がなんと倍くらいになったそうで、確かにパーケージの品質などが追いついていない印象も。毎回開けにくいし、なんなら漏れてるし、資生堂最高!と叫びたくもなります。

シルクスクリーンを使った丁寧な本作りで有名なタラブックス。チェンナイにあるオフィスの一階がギャラリーとショップになっています。そこでfluke bookという美しいノートを買いました。シルクスクリーンの試し刷りで出る紙を表紙に使ったノートです。Flukeを辞書で調べると「まぐれ」「思いがけない幸運」ですって。おしゃれだなあ。Flukeだけに、その時々で出会える柄が違うのが何より良いね。


そしてインド菓子! 一切期待していなかっただけに、そのおいしさにびっくり。ひし形のキラキラはカシューナッツをペーストにして甘くしたもの。これがマイルドな練乳のような甘さで進む進む。キラキラは本物の銀箔です。バラの花びら、ナッツ、カルダモンを澄ましバターで固めたお菓子もなんとも愛らしく大好きになりました。

 

以上、熱量たっぷり買い物編でした。
ところで私、旅の途中で「インドに今度いつ来るかなんてわからない」と思って買い物していたのですが、何がどうして今月も行くことになっちゃたんです! まさかの2ヶ月連続インド。今回はデリーのみですが、南インドチェンナイのアメジストでウハウハ試着した素敵なお洋服たちが、全てデリーのブランドだったことを思うと、今からうっとりしております。
また何か発見がありましたらこちらでお話しますので、聞いてやってくださいね。

 

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40歳からのおしゃれ論

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