「王子様を待つだけなんてイヤ!」守られるのではなく、守る立場になりたい!「彰子」は新しいタイプのお姫様!?【NHK大河『光る君へ』#40】
彰子の”女”であるがゆえの格闘…父・道長に自分の思いを伝えるも
道長(柄本佑)は病に伏せる一条天皇の姿を前に次期皇位について考えを巡らせます。彼は自身の地位をより確固たるものとするため、実の娘である彰子(見上愛)が生んだ敦成(濱田碧生)を後継にすることを検討します。しかし、一条天皇(塩野瑛久)も彰子も彼の第一子である敦康(片岡千之助)を後継にすることを望んでいます。このことがきっかけで、道長と彰子の間に亀裂が生じました。
彰子は道長が自分に相談もせず、次の東宮を敦成に決めたことに感情がかき乱されます。
道長は彰子に帝がこの決断を納得していると伝えますが、彰子は病で気持ちが弱っている一条天皇を父が追い詰めたのだと勘ぐります。それというのも、一条天皇から敦康を次の後継にすると聞いていたからです。
「私は 敦成の母でもありますが敦康様の母でもあるのです」という台詞にも表れているように、彰子は敦成のことを実子の敦康と同じくらい愛しています。敦康を思うと4歳の敦成を先に東宮にすることに耐えられないのでしょう。
彰子は「父上は どこまで 私を軽んじておいでなのですか!」と言い放ったように、道長が自分の気持ちを軽んじていると感じています。賢く、洞察力のある彼女は、幼い頃に入内した自分の境遇も道長の思惑も理解できているのでしょう。
彰子は一条天皇のもとに気持ちを変えてもらえないか説得に出向こうとしますが、道長にあっけなく妨げられます。
「政を行うは 私であり中宮様ではございませぬ」
この一言は彰子の心を傷つけ、彼女を深い悲しみに突き落としました。
「中宮なぞ 何もできぬ」「いとしき帝も 敦康様もお守りできぬとは」と涙を流し、「藤式部 何故 女は 政に関われぬのだ」と疑問を口にします。まひろ自身も若かりし頃はこの問いにさんざん悩まされてきましたが、彰子もかつてのまひろと同じように女であること、女であるゆえの無力さを嘆いています。
めんどうなことは男に任せて、蝶や花やとちやほやされることだけが女の幸せとはいえないと思います。女にだって誰かを守りたいという強い思いや、守り切れないときに無力さを感じることがあります。
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