義母の「近距離介護」ストレスでついに限界が。そんな心を救ってくれたのは「亡き父の教え」だった。「介護をスムーズに進めるために大事なこと」

介護には「距離感、大事」を改めて知る

 

夫曰く、私がお義母さんの介護に携わり始めた頃は、この “義理の親だからこその距離”があったことで、比較的スムーズに進められていたようです。実際に、医師から認知症と診断されたとき、夫は少なからず落ち込んでいて、その様子を見たお義母さんが夫のことを心配し、2人して口数が少なくなり、食欲も減退……といったことがありました。でも、その中に私がいたことで日々の暮らしが回り、お義母さんもだんだん元気になっていったというのです。

 

たぶん私も実の母が認知症になったとしたら、夫と同じような状態になったかもしれません。でも、お義母さんが正式に認知症だと聞いたとき、私の中に「悲しみ」の感情はほとんどなかったような気がします。(申し訳ないけれど)どちらかと言えば、「無」。

 

それが、あんなふうに感情をむき出しにするなんて……。そんな自分に驚きながらも、「このままじゃマズイよな」と思った私は、義母宅近くの地域包括支援センターへ。「困ったらいつでも来てくださいね」と名刺をもらっていた社会福祉士のもとを訪ねました。

 

そこで、分かったこと。私は介護をする中で、お義母さんとの距離感を少しずつ間違え、勝手に介護を抱え込み、次第にストレスを感じるようになっていたのです。「少し休息したほうが良いかもしれませんよ」というアドバイスもあり、私はしばらく直接的な介護から離れ、その間に新しい住まいの情報収集を始めることにしました。

 

よく耳にする「環境を変えることで認知症が進む」。まさにお義母さんの場合も、そうだったのかもしれません。徐々に料理ができなくなり、気が付けば洗濯機の使い方も危うい。もちろんお風呂嫌いも。

 

訪問介護を活用する方法もありますが、社会福祉士の方と話す中で、「再び環境を変えることのリスクはゼロではないけれど、やってみなければわからない。介護の負担を減らすため、そしてお互いに“ほどよい距離”を保つため、食堂もある<サービス付き高齢者向け住宅>(サ高住)への引っ越しを検討してみては?」という流れになりました。

 

しかし、現在住むエリアには「サ高住」の数が圧倒的に少なく、「ここは良さそう!」だと思っても、<予算が見合わない><数十名の予約待ち>など、新居探しは出だしからかなり難航するのですが……。これはまた、別の機会にお話ししたいと思います。

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