
平安時代にも「糖尿病患者」がいた!? 「贅沢もほどほどにしなきゃ。美食はいつの時代も病の原因」
「糖尿病」は現代の国民病ともいわれるが…国内初の糖尿病患者はあの一族だった!?
人間の身体はそうそう変わるものではなく、現代人を悩ませている病の中には平安時代の人たちを悩ませていたものも少なくありません。当時から脚気や虫歯、白内障、天然痘、糖尿病などに悩む人たちがいました。ただし、平安時代においてはこれらの病と誰もが隣り合わせだったわけではなく、貴族特有の病だったものもあります。貴族は食のバラエティに富み、屋外で身体を動かす機会も少なかったゆえに、庶民には縁がない病に苦しむこともあったのです。
例えば、脚気は貴族の病でした。脚気はビタミンB1(チアミン)が慢性的に不足すると患うといわれています。庶民は雑穀を食べていたのでこの病にかかることはありませんでしたが、貴族は当時の高級品であるまっ白なお米を食べていたためビタミンB1が不足しがちでした。現代において白米は庶民にとっても手が届きやすいものの、ヘルシー志向の人や美容家の中には雑穀を食べている人もいますよね。むしろ、最近は白米よりも雑穀が高値ですので、雑穀は経済的に余裕がないと日常的に口にできないといえるのかもしれません。
実資(秋山竜次) 大河ドラマ「光る君へ」 42話(11月3日放送)より(C)NHK
また、平安時代において質素な食生活を営んでいた庶民が糖尿病になることはありませんでした。糖尿病も貴族の病であり、藤原道長の一族は日本で最初の糖尿病患者といわれています。道長は糖尿病の症状に晩年苦しめられますが、伊尹、道隆、伊周も糖尿病を患っていた可能性が指摘されています。
平安時代においても貴族は菓子や酒を楽しんでいましたし、山盛りにした白米といっしょに肉、魚なども食べていました。(現代の研究では白米の過度な摂取は糖尿病のリスクを高めるという見方もありますね)さらに、貴族は太陽に照らされながら汗水たらして何かをしたり、移動のために歩くこともありませんでした。こうした生活をしていれば糖尿病を患っても不思議ではないでしょう。
藤原氏の全盛期を築いた道長だが、「糖尿病」の症状に晩年苦しんでいた
道長は「この世をば 我が世とぞ思ふ 望月のかけたることも 無しと思へば」と詠った人物としても有名です。彼は実権を握っていた兼家の息子として生まれ、運を味方にしつつ、自分の力で頂点までのぼりつめました。
そんな道長も病には打ち勝つことはできませんでした。60代前半でこの世を去っているため、平均寿命が40歳くらいだった当時としては長寿です。とはいえ、妻の倫子や娘の彰子、道長を近くで支えていた実資が90歳くらいまで生きたことを鑑みると、もう少し長生きしても…と思うのは筆者だけではないはずです。
晩年の道長は視力の低下、喉の渇き、背中の腫れ物など数々の症状に悩まされました。また、絵巻に描かれている道長はふくよかですが、藤原実資の『小右記』には道長が病によりやせ細ったという記述もあります。同書には道長が水を多く飲んでいること、口が乾いて力がないこと、丹薬は飲まず、豆汁や大豆煎、訶梨勒丸(かりろくがん)、蘇蜜煎を食していることが記されています。訶梨勒丸とはインド原産の植物である訶梨勒の果実を薬にしたもので、蘇蜜煎は牛乳を原材料にした高級デザートであり薬のようなものです。
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