元夫が2人ともDV男だった45歳。不倫相手だけやさしいのは「うちの子じゃないから?」
「ヤバい病んだ妻」のフリをして暴力回避
お互いに「お前のそういう性格が大嫌いだ」「あなたは最低な人間」と言い合いながら、世間体や子供のことを考えて踏ん切りがつかない日々が数年続きました。
「康夫は男性にしては力が弱く、私は女性の中では頑丈なので警察沙汰はありませんでしたが、年を重ねるにつれて殴られたり蹴られた痣の治りが遅くなってきました。『このままじゃ心身ともに崩壊する』と思った私は、これ以上殴られないように『病む』演技をすることにしました。これは、人によっては逆上させちゃうかもしれない危険な技ですが、康夫には効果てきめんでした。彼は、虫やヘビが大嫌いで気が弱いところがあったので」
真由香さんは、康夫さんが手を振り上げると、その場にあった楽器や家具などを掴み先に全力でぶつけるなど、「どうせ殴られるにしろ先にインパクトある攻撃をする」ことを心がけたそう。
「ウクレレとか、ピアニカとか、タブレットPCとか。そんなもので先手必勝に雄叫びとともに殴って手鼻をくじいたところで、大声でわめきながら逃げる。『あいつはやばい。少しおかしい』と思わせることで、力では負けても、戦意喪失させることはできました。時には殴るものがなくて、鉛筆で応戦して振り払われたので、自分で自分の腕を刺して血を見せたこともあります」
DV男性のタイプによっては逆効果になりそうなので、安易に真似はしないで欲しいという真由香さん。
「康夫の場合『気持ち悪い。怖い』と思うと、逃げたくなるタイプらしく『このメンヘラが』と、踵を返すことが多くなりました。それからの2年は、『子供が小学校に入ったら離婚しよう』とお互い弁護士に相談しながらの、消化試合敵夫婦生活です。DVは概ね収まりましたが、彼にとって私は『気持ちが悪いもの』。当然触れる気もしないでしょうし、仮面夫婦の家庭内別居でした」