
47歳女性からの質問「子宮を全摘してもホルモン補充療法(HRT)はできますか?」HRT最新事情とメリット・デメリット
子宮全摘した47歳女性が「知りたいこと」
主婦でインスタグラマーのたぐちまいこさんは、1年ほど前に子宮筋腫により子宮摘出手術を受けました。
20代の頃から子宮筋腫があったたぐちさん。30代半ばで摘出を考えましたが、ちょうど手術を計画していた時期が年子の子供を出産したタイミングと重なり、一度は保留にしたそうです。
40代半ばになって、会社の健康診断で「子宮と同程度の大きさの筋腫が2つ、さらに小さい筋腫が複数あります」と指摘され、婦人科を受診。子宮全摘を勧められたそうですが、開腹手術への不安もあり約2年間悩んだとのことです。
その後、46歳で摘出に踏み切り、1週間ほど入院。手術の経過は良好で、筋腫があったことによる腹部の不快感も解消。卵巣は2つとも残っているそうですが、年齢的なこともあってか、時おりホットフラッシュや疲れやすさなど体調の変化に戸惑うこともあるそうです。ホルモン補充療法に興味はあるものの、副作用など分からないことが多く不安な点もあるとのこと。
「子宮は全摘出しましたが、卵巣は2つとも残っています。今、更年期っぽい症状があるのですが、子宮摘出したことで更年期症状が早まったりすることはあるのでしょうか? また、子宮を摘出していてもホルモン補充療法を受けることはできますか? 基本的なホルモン補充療法の知識とともに、健康面、美容面、メンタル面などのメリット、デメリットなども教えていただきたいです」
ホルモン補充療法(HRT)とは何ですか。基本的な概要について教えて下さい
ホルモン補充療法は、分泌が低下した女性ホルモンを補うことで更年期障害の症状改善・予防をするとともに女性の若さ、活力を保つことを目的とした薬物療法になります。
女性ホルモン、特にエストロゲンは、女性の体を守る重要な役割を担っています。血管の若さを保つ役割を果たし、コレステロール値や血圧をコントロールすることで心血管系の健康をサポートします。
また、脳の機能を維持する働きがあり、認知機能にも良い影響を与えるとされています。さらに、皮膚のきめや弾力を保つことで若々しい肌を維持し、骨密度を守ることで骨粗しょう症のリスクを軽減します。そして、性器の粘膜を保護する役割も果たすなど、女性の健康に幅広く貢献しています。
しかし、閉経に伴いエストロゲンが急激に減少すると、それまで女性の体を守っていた「防御」が外れたような状態になります。この変化が、更年期の不調の大きな原因となるのです。
具体的な更年期症状
・月経異常(不正出血)
・自律神経失調症状(ホットフラッシュ、異常発汗)
・精神神経症状(不安、倦怠感、不眠、いらいら)
・生殖器萎縮症状(腟炎、外陰部掻痒感、性交障害)
・骨粗鬆症
・心血管系疾患
ホルモン補充療法(HRT)の目的
ホルモン補充療法の目的は、更年期以降の女性の健康を改善し、生活の質(QOL)を向上させることです。大切なのは「女性の健康寿命」をのばすこと。近年、女性の平均寿命は87歳前後と飛躍的に延びましたが、閉経の平均年齢は約51歳と昔と大きな変化はありません。
女性は男性よりも寿命が長い一方で、閉経後の人生が長くなるため、寝たきりになるなど「健康寿命」と実際の寿命との差が広がることが問題視されています。
また、40歳未満で自然閉経となることを早発閉経と呼びますが、こういったケースでは健康状態や生活の質(QOL)が低下するリスクがさらに高まり、最新の研究では寿命にも影響があることが報告されています。
このため、閉経後の数十年を健康に過ごすためのサポートとして、ホルモン補充療法が注目を集めています。
子宮摘出したことで更年期症状が早くなることはあるのでしょうか?
子宮筋腫の手術で子宮を全摘しても卵巣を温存した場合、基本的には更年期障害のような症状は現れません。ただし手術時の年齢が40代後半以降の場合には、卵巣機能が低下する時期と重なるため、更年期の症状が見られることがあります。そういった症状がある場合は、ホルモン補充療法を受けることで不快症状の軽減が期待できます。
子宮がある方と子宮を摘出した方の治療法に違いはありますか?
なんらかの理由で子宮を全摘された方は、子宮がある方とは治療方法が異なります。
・子宮がある方:エストロゲンとプロゲステロンの両方を投与。子宮体がんのリスクを避けるために、この組み合わせが必要です。
・子宮を摘出された方:子宮を摘出された方は子宮内膜増殖や子宮体がんのリスクがないため、エストロゲンのみ投与します。
ホルモン補充療法とは具体的にどのようなことを行うのですか?
ホルモン補充療法の薬には、いくつかの種類があります。
・飲み薬:シンプルで使いやすい方法ですが、薬は胃腸から吸収されて肝臓を通って血液中に入るので、胃腸や肝臓に負担がかかることもあります。
・パッチ(貼り薬)やジェル(塗り薬):皮膚から吸収させる方法。肝臓への負担が少なく、血栓症のリスクが抑えられます。皮膚が弱くかぶれなど刺激が気になる方は、飲み薬を選択することもできます。ジェルを使う場合はエストロゲンが高くなりすぎるリスクもあるので、ホルモンを図りながらより慎重に使用することをお勧めします。
▶ホルモン補充療法の副作用について
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