乳がん治療「抗がん剤だけではなくホルモン療法でも髪が抜ける!?」がんそのものより辛いのは「脱毛」だった【乳がん体験談】#3
ヘアロスのときの苦悩点
社会復帰しようと思っても、スーツ着用のOLなので仕事中は帽子をかぶれないんです。カルチャーフィットしない状況って本当に難しいですよね。ビジネスはやっぱり相互関係なので、自分がよくても相手への印象があるので、私は部分ウィッグを選択しました。
部分ウィッグに出会う前は、ふりかけるヘアパウダーを使ってました。皮膚科のドクターが、「ゴマ塩振ってるの?」みたいなことを言ったんですよ。医療者でもさすがに気持ちまではわかんないんだなぁと思いましたね。
ネットでいろんなものを調べて悩んで、半年くらい経って最後の最後に部分ウィッグにたどり着きました。そこまでが結構きつかったですよね。脱毛を隠せないし、やっぱり視線が気になる。エスカレーターなんて、本当に嫌でした。常に、周囲の視線を避けていました。
娘の友だちに「どうしてハゲてるの?」と聞かれたときはつらかったですね。子どもたちって悪気ないから平気で聞いてくるんです。「なんでだろうね」って答えていました。
次のページへ▶▶がん治療の脱毛だけでなく、更年期の薄毛にも「人毛の部分ウィッグ」は強力な味方になる。ウィッグが当たり前の存在になればいい
■野中美紀
株式会社SUMIKIL代表取締役。「遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)」で、「ホルモン受容体陽性の乳がん」を罹患。抗がん剤(化学療法)による脱毛ではなく、⻑期間のホルモン療法で脱毛。その後、円形脱毛症も発症。自身の経験から、人毛100%の医療用ウィッグを開発、販売。受注後お客様に合わせて人気美容師がカットしてから発送するのがこだわり。HP:https://kami-wo-kiru.jp/
【ヘアロス】
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