
「もう会社に行きたくない」突然の夫の申し出。私が反対しなかったのは、おたがいの責任と自由を約束する「結婚協定」があったから【体験談】
求めるのはビジネスパートナーとしての責任。あとは、思うように生きてほしい
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以来、夫のコンディションや人間関係は悪くなる一方だったのだとか。妻という立場なら、励ましたり、焦ったりして当然……と思いきや、「『復帰させよう』という発想も焦りも、微塵も抱きませんでした」と即答するたま子さん。どうしてそんな風に落ち着いて構えていられたのでしょう?
「そもそも、私も夫も『個』という存在であり、彼の人生は彼のもの、というのが大前提です。夫婦として求めるのは、当初取り決めた『結婚』というビジネスの責任を果たしてもらうこと。このときも、夫は退職を検討し始めてからスタートした副業と、もともとの蓄えを併せて、経済的責任を果たせるという見通しを立ててくれました。
役割分担を引き受け、彼が払うべき金額を毎月納めて、家庭へコミットしてもらう。それさえクリアすれば、どんな職業を彼が選択しようと、全く問題ないんです」。
にこやかに、サッパリとたま子さんは当時を振り返ります。とはいえ、いざという場面でここまで腹を括りきることは、なかなかできないのでは――そんなこちらの思いが伝わったのか、続いてたま子さんが差し出したのは、「信頼」という言葉でした。
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「『今日はこんな風に過ごしたい』という小さな希望から、『こんな仕事をやってみたい』という大きな挑戦まで。夫は常に私を信頼して、背中を押してくれました。なぜそれがこんなにうれしいのかと考えたら、幼い頃から、私はまさにその『信頼されること』を求めていたんですよね。
小さなころ、私が何かをやりたがると、母はいつも『いつ辞めてもいいんだよ』『大丈夫?』と言ってくれたけれど……私は、『いいね』『応援してるよ』と声をかけてほしかった。ずっとそう思っていました。
夫が私に打ち明けた『会社を辞めたい』の先に待つのは、新しい人生。その一歩を前にした彼を見て、いつも彼が私にしてくれるように、『心配』ではなく『信頼』を寄せたかったんです」。
かつて夫婦で交わした「結婚協定」。それは夫婦の責任を確認し合うことであると同時に、実は互いの人生の「自由の輪郭」を描くことでもありました。突然やってきた壁の前で、この協定を強く、あたたかく機能させることができたのは、「互いの信頼」という土台があってこそ――そんな「家族のカタチ」を、たま子さんは教えてくれました。
次回記事「「家族」を言い訳にしない、守りに入らない。わが子に誇れる「生き方」のために、私が挑戦したコト【体験談】」では、この半年後に起こったたま子さんの休職に、家族がどう向き合ったかをご紹介します。
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【編集部より】
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