
モラハラから抜け出すための「心のお守り」を得た私が、ついに夫に立ち向かった日
コロナ禍で変わった夫婦の力関係
「夫が家にいることで、心がどんどん疲れていくのがわかりました」
夫からの言葉の暴力や過剰な干渉は、M子さんの自己肯定感を更に奪っていきました。M子さんのやることなすこと全てに文句を言い、「どうしてこんなに何もできないのか」という人格否定の言葉を毎日浴びせ続ける夫。
そのうちM子さんは眠ることができなくなり、食欲も減退してゆきました。
もともとは家事や子育てに一生懸命取り組む方だったというM子さんですが、それらを続ける気力も失われていきました。
「夫の顔を見るだけで緊張してしまうようになりました。夫がため息をつくだけで、自分がまた何か悪いことをしたのではないかと萎縮してしまうんです。私はもう、本当に疲れ切っていました」
M子さんの子どもも、家庭の雰囲気に敏感に反応するようになりました。
「子どもが『パパがママのことを馬鹿にするから、もう宿題は見てもらわないね』と言ったとき、胸が締め付けられる思いがしました。子どもにまで気を使わせている状況に、もうこれ以上は無理だと思いました。」
コロナ禍の在宅勤務による夫婦の距離感の変化は、多くの家庭で新たな問題を引き起こしました。特にモラハラの被害に遭う女性にとって、夫が常に家にいる状況は、逃げ場のないストレスとなります。夫婦は適度な距離感があるからうまくいくので、四六時中夫婦が顔を合わせる時間が多くなるとお互いのストレスが増えて鬱病になる方が多くいます。M子さんもその一人でした。
「パートから帰ってきて一息ついたときにリビングでコーヒーを飲んでいても、夫はすかさず『またサボっているのか。主婦は暇でいいよな、俺が一生懸命働いた金を好きに使っていいご身分だな』と嫌味を言うのです。まるで監視されているみたいですよね。『このコーヒーは私のパート代から出しているから』と必死に言い訳する自分に、『なんでこんなことまで言わないといけないんだろう。私は一体なんなのだろう』と思うようになりました。
M子さんは夜一人になると毎日自然と涙がこぼれ、自分は生きる意味がない、消えてしまいたいという思いでいっぱいになっていました。この家から逃げ出したいと言う思いがどんどん溢れていきました。
以外なところで見ていてくれた人がいて… 次ページ
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