「オレに迷惑をかけるな!」と家でも説教する夫。ストレスがたたり、ある日私は倒れてしまって
ストレスによる頭痛とめまいで、ついに倒れてしまって
常に張り詰めた状態で過ごし続けたせいで、Dさんはひどい頭痛とめまいに襲われ、ついには倒れてしまったのです。病院に運ばれ、医師からは極度のストレスによる自律神経の乱れと診断されました。
“このままでは、あなたの身体が持ちませんよ”
医師の言葉に、Dさんは初めて自分の限界を認めました。
久しぶりに自分ひとりだけの時間ができたこともあり、「自分の人生をこのまま夫のために犠牲にしてしまうのか?」と病院のベッドで考えずにはいられませんでした。
一方で、夫もまた衝撃を受けていました。いつも自分に従い、黙って支えていた妻が、目の前で倒れたことで初めて事の重大さを感じたのです。「このまま帰らない人になったら……」と想像して震え上がり、やっと妻の大切さに気づいたのです。
見舞いに来た夫は、ぎこちないながらもDさんに謝ったそうです。
「お前がこんなになるまで無理してたなんて、知らなかった、申し訳ない」
Dさんは夫の言葉を聞いても、すぐに信じることはできませんでした。しかし、退院後、夫の態度には少しずつ変化が見え始めました。彼なりの葛藤の結果なのでしょう。以前のように怒鳴ることが減り、不器用ながらも優しさが見えてきました。
自分を大切にすると決めて自信が蘇ってきた
会社での夫にも変化が起きました。パワハラに対する自制が見られ、新しく雇った事務の社員とも連携が取れるようになりました。一番こだわってる「お金関係」はまだ社員に託すことはできないようですが、徐々に全て任せようと思っているそうです。
「お前に頼りすぎてたのかもしれないな。これからは家庭のことだけに専念してくれ」
夫のその言葉を聞いたとき、Dさんは驚きました。これまでの夫なら、絶対に口にしなかったような言葉だったからです。
Dさんは、もう一度夫とやり直してみようかと私にご相談くださいました。ただし、以前のように「自分を犠牲にして」ではなく、「自分のための選択」としてとおっしゃったので、「自分を大切にすることを1番にしてください」という約束をしました。
Dさんは「会社の負担を背負う必要もないし、何かあれば逃げ出せるんだ」という事実に気づき、心の余裕が生まれたのです。
「今度こそ、私は私のために生きよう」
Dさんはそう決意し、新しい人生の一歩を踏み出しました。
前編「経営者の夫の壮絶なパワハラで、従業員が逃げていく。事務として会社を支える妻の苦しみは」
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