更年期症状が次々と!「全身から吹き出る汗が止まらない…」めまい、首や腰の痛みも重なって絶不調。ダイエットがきっかけで改善したものの、再び症状が!!【体験談】

柴田綾子先生のコメント

▪️更年期にホットフラッシュで困る女性は沢山います

裕子さんのお話は、多くの女性が経験する更年期障害の症状そのものだと思います。

ホットフラッシュとは、おもに顔や上半身に突然おこる「のぼせ、ほてり、汗」などで、同時に顔が赤くなったり動悸やめまいが起こることもあります。困るのは、ホットフラッシュは予兆なく急に起こり、自分では症状を止められないことです。ひどい方の場合は、寝ている間にも起こり不眠症の原因になったりします。また、関節痛は日本人の女性に起こりやすい更年期症状で、肩こり、手の指のこわばりや痛み、腰の痛みなどを感じる女性が多いです。

ホットフラッシュは、更年期障害の全員に起こるわけではなく、約半数と言われています。

ホットフラッシュが無くても、関節痛や疲れなどが更年期障害の中心の症状のこともあります。もしこれらの症状で困っている方は、産婦人科にも相談してみてください。

 

▪️更年期障害の治療について

裕子さんの場合、ホルモン補充療法の皮膚に貼るシールを試したが、効果を感じられなかったため、漢方やエクオールを試されたということですね。女性ホルモンを補う、ホルモン補充療法は、相性があえば、とても効果が高い治療法ですが、なかには相性が合わない方もいらっしゃいます。

そのようなときは、裕子さんのように漢方やエクオールなどを使ったり、別のホルモン補充療法の薬(飲み薬や塗り薬)を試すことがあります。一つのホルモン剤で相性が悪くても、別のホルモン剤に変えると、調子が良くなることもあります。

 

▪️実は……更年期は太りやすい

たくさんの更年期女性から「更年期になって太ってしまった」「健康診断で中性脂肪やコレステロールが高いと言われた」と相談を受けます。これは女性ホルモンのエストロゲンが低下したことが原因です。

エストロゲンは、体の代謝に関係しており、エストロゲンが減ることで代謝が悪くなり、中性脂肪やLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が増えやすくなったり、太りやすくなります。そのため、裕子さんのように、積極的に運動をしたり食事を気をつけるのは、とても大切です。

 

▪️ダイエットや運動は更年期障害の治療になる

実はダイエットや運動は、更年期障害のホットフラッシュを改善させる効果があることが分かっています。特に、平さんがしてくださっているウォーキングなどの有酸素運動(他にもヨガやスイミングなど)は、ホットフラッシュの症状を改善させることが研究から分かっています。

また、ダイエット(肥満の方が標準体重を目標に体重を減らすこと)も、ホットフラッシュや更年期障害の症状を改善させる効果があります。単に「食事量やカロリーを減らして体重を落とす」のではなく、裕子さんのようにタンパク質や栄養素はしっかりとり、有酸素運動を取り入れてボディメイキングを目標にするのがおすすめです。

 

 

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『働く女性の2/3以上は、職場で更年期の相談ができていない!「せめてサプリで対策したい」どんな成分がいい?何に注意すべき!?【医師監修】』

 

 

プロフィール

柴田綾子(しばた あやこ)先生

産婦人科専門医・指導医、周産期母体・胎児専門医
世界遺産15カ国ほど旅行した経験から母子保健に関心を持ち産婦人科医となる。周産期センターで診療するかたわら、女性の健康に関する情報発信や、低用量ピルや更年期障害に対するホルモン補充療法を解説するセミナーを開催している。『女性の救急外来 ただいま診断中!』『産婦人科ポケットガイド』『女性診療エッセンス100』『明日からできる! ウィメンズヘルスケア マスト&ミニマム』など、著書多数。

 

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