ある朝「子どもの様子がおかしい」と気づいた彼女が、モラハラ夫との暮らしに下した決断とは

2025.05.03 LIFE

その後のSさんは……

長期休暇中、モラハラ夫の言動にいちいち反応していては、心が持ちません。 そんなときこそ、「スルーパワー(スルーする力)」を意識的に使いましょう、心の中に壁を作ってください」と私はSさんにお伝えしました。

 

次の日、S子さんは子どもが父親の顔色をうかがいながら、黙って朝食をとっているのを見て、ハッとしたといいま。

「私が守らなきゃ。このままじゃ、子どもまで笑えなくなってしまう」

それから彼女は、夫の言葉をまともに受け取らない練習を始めました。命令口調には黙ってやりすごし、子どもはなるべく別の部屋に避難させるように。少しずつ、「夫と心の距離をとる」暮らし方を模索したのです。

 

すると、子どもにも変化が現れました。

「ママ、あんまり怒られてないね」

そう言って、久しぶりに子どもが小さく笑ったとき、S子さんの目にも涙が浮かびました。彼女は気づきました。「私は、“ガマンする母”じゃなくて、“守る母”になろう」と。

 

夫が変わらなくても、自分の心の持ち方と行動を変えれば、守れるものがある。S子さんの暮らしは、今も決して理想ではないかもしれません。けれど、「私は私を守る」「子どもの心を壊させない」と決めたその日から、少しずつ、日常は変わり始めたのです。

 

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