「させて頂く」とは失礼!そのワケと改善案を解説
「させて頂く」は誤用!?
さて、「させていただく」と7文字も使うことでしつこさが出ると判断し、「いただく」を漢字「頂く」や「戴く」に直してしつこさを回避しようとする人もいますが、これは実は、文法的に間違いなのです。
「いただく」には二種類あります。
- 「いただきます」「いただきました」の「いただく」
- 「〇〇していただく」「〇〇させていただく」の「いただく」
1の「いただく」は、「もらう」の謙譲語です。この場合は漢字で書いてOKです。
例
- プレゼントを戴いた。
- 有り難きお言葉を戴く。
2の「いただく」は補助動詞なので、基本的にはひらがなで書くのがルールになります。
平成22年 内閣訓令第1号 – 公⽤⽂における漢字使⽤等について
ここに挙げられている例は、考えもなく漢字にしている場合も多いので、一度チェックをしてみると良いと思います。ちなみに、私の文章指導では「この言葉はひらがなで書くのよ」と指導しています。
上の訓令より引用。各業( )の右側に漢字にした例を書いてみますね。
次のような語句を,( )の中に示した例のように用いるときは,原則として,仮名で書く。
ある(その点に問題がある。)×在る
いる(ここに関係者がいる。) ×居る
こと(許可しないことがある。) ×事
できる(だれでも利用ができる。) ×出来る
とおり(次のとおりである。) ×通り
とき(事故のときは連絡する。) ×時
ところ(現在のところ差し支えない。)×所
とも(説明するとともに意見を聞く。) ×共
ない(欠点がない。) ×無い
なる(合計すると1万円になる。)×成る
ほか(そのほか…,特別の場合を除くほか…)×他
もの(正しいものと認める。) ×物
ゆえ(一部の反対のゆえにはかどらない。)×故
わけ(賛成するわけにはいかない。) ×訳
・・・かもしれない(間違いかもしれない。)×かも知れない
・・・てあげる(図書を貸してあげる。) ×て上げる
・・・ていく(負担が増えていく。) ×て行く
・・・ていただく(報告していただく。) ×て頂く←これです!
・・・ておく(通知しておく。) ×て置く
・・・てください(問題点を話してください。)×て下さい
・・・てくる(寒くなってくる。) ×て来る
・・・てしまう(書いてしまう。) ×て仕舞う
・・・てみる(見てみる。) ×て見る
・・・てよい(連絡してよい。) ×て良い
・・・にすぎない(調査だけにすぎない。)×に過ぎない
・・・について(これについて考慮する。)×に付いて
連発しないこと、漢字に直さないこと、以上2点について、気をつけてみましょう。ぐっと素敵なメール文になると思います。
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