「離婚じゃなくてもいい、とにかく夫と離れたい」58歳妻が別居で心の自由を取り戻し、夫にも変化が訪れたその理由
夫の定年が近づくにつれ、頭痛やめまい、動悸など、原因不明の不調に悩まされていたSさん。
「夫とずっと一緒にいると思うだけで苦しくなる」と医師に打ち明け、自分が『夫源病』であると初めて気づきました。
離婚という言葉が頭をよぎる一方で、58歳から新たな一歩を踏み出す不安もありました。そんな中、娘からかけられた一言が、Sさんの心を大きく動かすきっかけとなったのです。
前編「『夫の定年が怖い』頭痛・動悸に悩まされる58歳妻。その正体は『夫源病』だった!?」に続く後編です。「離婚したい」と伝えた日
夫の定年が迫り、「この先ずっと二人きりで暮らすのか」と思うだけで、Sさんの胸は締めつけられるようでした。(このままでは、心も体も壊れてしまう)そう感じながらも、「私はどうしたいのか」と自問自答する日々が続きます。
ある日、体調を心配して見舞いに来てくれた娘に、Sさんは意を決して打ち明けました。病院で「夫源病かもしれない」と言われたこと、そして夫と暮らすことへの恐怖心。
娘は迷いのない眼差しでこう告げました。
「やっぱりそうだったんだね。お母さん、いつもお父さんの言うことばかり聞いて、自分を後回しにしてきたよね? もう我慢しなくていいよ。お母さんは自分の人生を生きていい。離婚したほうがいいと思う」
その言葉を聞いた瞬間、Sさんの中で初めて 「自分の人生」という視点 が芽生えました。
「私は私のために生きていい。夫の機嫌をうかがう人生を終わりにしたい」
そう考えると、心がふっと軽くなったのです。
とはいえ、夫に離婚を切り出すのは怖い……。それでも数日後、Sさんは勇気を振りしぼり、静かに伝えました。
「ごめんなさい。あなたと暮らすのはもう限界です。離婚してください」
夫は一瞬驚いた表情を見せたものの、思ったより冷静でした。娘から“前振り”があったらしく、怒鳴ることも責めることもなく、押し殺した声で言います。
「そんなに簡単に離婚なんてできるわけないだろ。俺は離婚したくない。これから大切にするから」
しばらく沈黙が続いたあと、夫は少し疲れた口調でこう続けました。
「……とりあえず、しばらく別々に暮らしてみようか」
Sさんにとって、“別居”という選択が、心と身体を守る新たな一歩となったのです。
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