「もう愛していない」心が壊れるまで我慢した妻が、モラハラ夫と決別するとき
「冗談だよ」と笑いながら傷つけられ続ける日々の中で、Tさんは自分の気持ちすらわからなくなっていきました。それでもどこかで、「夫は本当は悪い人じゃない」と信じていた……そんなTさんの心が、静かに、確かに、決別へと向かっていきます。
前編「「冗談という名の暴力」で私をいじる夫に、心を壊されていった。それでも私がずっと笑っていた理由は」に続く後編です。※個人が特定できないよう設定を変えてあります
※写真はイメージです
なぜ離れられない?冗談に縛られる心の罠
「ただ、私の気持ちをわかってもらいたかったんです。どこかで、夫が本当に悪い人じゃないと信じていたんです」
Tさんは、そう語ってくださいました。どれだけ傷つけられても、「いつか話せばきっと伝わるかもしれない」と思ってしまう……それは、人との関係においてごく自然な感情です。
Tさんが望んでいたのは、特別なことではありませんでした。
自分の話を、途中で遮らずに最後まで聞いてほしい。
自分の感情を、冗談にせず、ちゃんと真剣に受け止めてほしい。
そして、会話を通じてお互いの気持ちを分かち合いたい。ただそれだけのことだったのです。
けれども夫は、Tさんの言葉や想いを、すべて「冗談」として片づけ、真正面から向き合うことはありませんでした。彼にとって、Tさんの真剣な言葉は“軽くあしらうもの”であり、決して耳を傾ける対象ではなかったのです。
それでもTさんは、「きっと夫はいつか変わってくれる」と信じていました。なぜ、そこまで信じてしまうのでしょうか。それは、加害者に傷つけられても、どこかで「本当は悪い人じゃない」「きっとわかってくれる」と思い込んでしまう、共依存の関係が起きているからです。
共依存とは、自分の幸せや感情の安定を相手に委ねてしまい、「あの人さえ変われば私は幸せになれる」と、望みを捨てきれない状態です。相手に期待し、信じ、耐え続ける。その優しさが、皮肉にも「自分を壊してしまう力」に変わってしまうのです。
「共依存」という関係性 次ページ
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