シャンプー成分3つの誤解「シリコーンは頭皮に悪い」は都市伝説?

問1・シリコーンの何が悪い(とされた)のか?

 

「シリコーンに悪者イメージがついたのは残念なことです。シリコーンは極めて優れたトリートメント材。たとえばご高齢で、髪が痩せてしまいキューティクルのない人は、シリコンでカバーしないと髪そのものにハリがないのでピンでとめることすら難しくなります。

また、よくシリコーンが毛穴に詰まるという都市伝説がありますが、そんなことは一切ありません。もちろんシリコーンそのものの品質にもよるのかもしれませんが、少なくとも私たち資生堂グループが長い間の安全確認を経て扱うシリコーンではあり得ないことです。

とはいえ、今回ディシラのシャンプーにはシリコーンを配合しませんでした。理由は安全性ではなく、使用感です。シリコーンはやや重くなりがちなのです。

例えばシリコーン高配合のヘアオイルも、使用感がちょっと重めですよね。

髪は本来、髪の毛を立たせるための筋肉がありますので、上に向かってふわっと立つものです。が、シリコーンを配合すると、この重たさゆえに根元がつぶれたり、スタイルのふんわり感がキープできなくなることもあります。カバー力があるからこそのデメリットも存在するのです」(橋本さん)

 

ちなみに、ノンシリコーンシャンプーと銘打つシャンプーでも、コンディショナーにはシリコーンが入っているケースが多々あるのだそう。それでも、シャンプーは確かにノンシリコーンですから、表示に間違いはないので釈然としない話です。今回のディシラは、アミノ酸系の成分で髪そのものの補修を行うためノンシリコーンです。

 

問2・ラウレス系洗浄剤は「危ない」のか?

「洗浄剤として極めて安定した品質で、高い洗浄力を持ちます。少なくとも資生堂が選ぶ原材料に安全性確認の不確かなものはありません。ですが、ラウレス系洗浄剤でとことんすっきり洗浄してしまうと、人によってはスキンバリア機能の『取られたものを補う』働きで過剰に皮脂が分泌され、結果的に頭皮がべたついてトラブルを呼ぶ可能性も否定できません。また、高い洗浄力を和らげるために配合された何かが影響して、例えば髪に残ったシリコーンを落としきれず髪が過剰にコーティングされて重たくなってしまう、というようなケースも考えられます」(橋本さん)

 

問3・香料は「余計な添加物」なのか?

 

「無香料のシャンプーでもかすかに何かの香りを感じるもの。無臭ということは実はかなり少なく、シャンプーの原料成分そのものが好ましくないニオイを持つ場合すら多々あります。香料である程度マスキングをしないと、使用感よりもニオイを優先して原料を選択する必要が出てしまい、結果的に肝心の使用感が悪くなるケースもあり得ます。また、人間は嗅覚が感知できるとされるレンジの香り以外に、脳に直接感じている香りがあり、シャンプー中のリラックスに強く影響を与えます。鼻に近い部分で使うシャンプーだからこそ、心地よい香りはとても重要です」(橋本さん)

今回ディシラは希少な天然白薔薇香料を配合しています。天然香料はその扱いがかなり気難しく、他の成分との相性もシビア、開発に時間がかかるものなのだそう。その努力が実り、深いリラックスへといざなう香りが実現されています。

 

実は肌よりも髪のほうが感覚が鋭い

ディシラは資生堂のブランドの一つ。今回お話を伺った開発担当者の橋本三都子さんは、かつて懐かしの名品「スーパーマイルドシャンプー」を担当したことも。

 

「その後もさまざまな分野の製品を担当してきましたが、ヘアはスキンケアとは少し感覚が違います。意外かもしれませんが、実は肌よりも髪のほうがみなさんの感覚が敏感なんです。髪はまとまらない、つぶれたなどの『キマり方』が客観的に誰にでもわかりますから、『なんとなくいつも通り』という状態がないのです」(橋本さん)

 

いつもうしろ1つひっつめの私ですら、言われてみれば「今日は顔回りにおくれ毛が出すぎて疲れたオバサン風だな」「今日はぴちっとまとまったな」というような毎日違う感覚があります。いっぽう、肌は痛い吹き出物でもない限りは「なんとなくしっとりしているか、そうでないか」くらいしかわからない。なるほど、その通りです。

 

「そんなものです。だからこそ、『自分の髪は高いシャンプーで洗っているのだからこんなものだな』と納得してしまい、いまひとつの状態なのにこれ以上を求めようとする発想を持ちにくいのです」(橋本さん)

 

こうした「いまひとつ」を打開してくれるのが、今回ディシラで採用したアミノ酸系のシャンプー&コンディショナーです。しかし、従来のアミノ酸系はその成分的な問題から「頭皮と髪によいものであるにもかかわらず、使用感のいまひとつな製品」が大半でした。ヘアサロンに勧められて使ってみたけれど、どうにも使っていて気持ちがよくない、髪型もキープできなくて、結局やめてしまった……という話もよくあるのだそう。

 

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