この人を選んだら、幸せになれますか?-38歳・清美の場合(2)-【40女の恋愛事情・story4】
男の人の嗅覚はあなどれないらしい。
その女性に他の男がすでにいるかどうかを、敏感に察知することができるという。
確かに、私はあの人のことを考えなくなってから、食事やお酒に誘われることが増えた。
あまり語られることのないアラフォー女性の恋愛事情をクローズアップした小説、【40女の恋愛事情】。
38歳・清美の3回シリーズ、4-1に続いて2話めです。
誘ってくれた2人のうちの1人は、会社の同期の人。
そしてもう1人は、今、仕事でやりとりしている印刷会社の営業の人。
同期の人は同い年で、営業の人は、5つ下だった。
この2人にほぼ同時に、今度食事でも、と誘われた。
嬉しかったけれど、体はひとつしかない。
どちらかを選ぶとしたらどちらなんだろう。
無難なのは、同僚のほうだと思う。
結婚することになったとしても、会社のみんなが祝ってくれそうだし、
彼の給料の額もだいたいわかる。
実家暮らしだから、お給料は結構自分のために使えているみたい。
決して高給ではないのも知っているけど、2人で力を合わせれば、乗り越えらえるはずだ。
冒険なのは、年下の営業くんのほうだ。
そんなに大きくない会社なのもわかっているし、5歳も下だし、あまり収入は高くはないだろう。
ひとり暮らしだと言ってたし、生活は大変かもしれない。
社員なのか、契約社員なのかも、何もわからない。
誰に相談したってきっと、同僚を選びなよと言われると思う。
条件からすれば、きっとそうなんだろう。
お付き合いするつもりがないのなら、年下くんからの誘いは、さっさと断ればいい。
それなのに、私は断れなかった。
彼と、話をしてみたかったから。
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