気をつけて!「最近なんだか、疲れやすい」オトナ世代の女性が見落としがちな「病気」とは
「最近、疲れやすい」「何に対してもやる気が起きない」などの悩みはありませんか?
日本の女性は、一般的に50歳前後で閉経を迎えるといわれてきましたが、昨今の研究では平均52歳とされています。閉経の前後5年間は更年期と定義され、ホルモンバランスの変化により心やからだにさまざまな変化が起きやすい時期です。
この頃から、これまで感じなかった疲労感や無気力が生じる人も少なくありません。一方で、この年代にみられる疲労や倦怠感のなかには、更年期以外の病気が関係している場合もあります。そこで今回は、更年期女性が知っておきたい「疲労・倦怠感」の注意点について、「あんしん漢方」の薬剤師、清水みゆきさんに詳しく教えてもらいました。
質問:40代になって急に疲れやすくなり、だるさややる気の低下に悩んでいます。これは「更年期」でしょうか?

Photo:O-DAN
「以前より疲れやすくなった」「やる気が出ない」と感じる40代の女性は確かに多く、こうした症状は更年期のサインのひとつともいえます。
更年期になると、女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少して自律神経のバランスが乱れるため、疲労やだるさ、やる気の低下といった不調が生じやすくなります。加齢によるからだの機能低下に加えて、忙しさや生活環境の変化によるストレスも症状を悪化させる原因です。
ですが、疲労や倦怠感は、更年期だけが原因とは限りません。別の病気が潜んでいる可能性もあるため、「更年期だから仕方ない」と自己判断して放置するのは危険です。
質問:疲労や倦怠感を伴う病気にはどんなものがありますか?

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疲労や倦怠感を伴う病気はいくつかありますが、代表的な2つについて解説します。
1.甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンの分泌が不足して、全身の代謝が低下する病気です。女性に多く、年齢とともに発症が増える傾向にあります。主な症状は、疲労感や無気力のほかに、むくみ、体重増加、抑うつ、寒がり、皮膚の乾燥、便秘などがあります。更年期の不調かと思ったら、実は甲状腺の病気だったというケースも珍しくありません。
2.慢性疲労症候群
原因がはっきりわからないにもかかわらず、日常生活が難しくなるほどの強い疲労が6か月以上続く病気です。朝からひどい疲労を感じ、そのまま1日中続くのが特徴です。代表的な症状は、持続する強い疲労や集中力の低下、頭痛、筋肉痛、関節痛、発熱、リンパ節の腫れや痛みなどがあります。
質問:更年期か他疾患かを見極めるにはどうしたらいいでしょうか?

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疲労や倦怠感が続くと、「重大な病気が隠れていたらどうしよう」と不安に感じることもありますよね。更年期の症状か、ほかの病気によるものかを見極めるためには、疲労や倦怠感だけでなく、どんな症状が一緒に出ているかを確認することが大切です。
更年期でよくみられる症状
- ほてり
- のぼせ
- 多汗
甲状腺機能低下症でみられる症状
- 急な体重増加
- 皮膚の乾燥
- 寒がり、低体温
慢性疲労症候群でみられる症状
- 休息で回復しない強い疲労
- 微熱やリンパ節の腫れ
- 筋肉痛や関節痛
とくに、「複数の症状がある」「長い間続いている」「悪化している」という場合は自己判断せずに、早めに内科もしくは婦人科を受診するようにしましょう。血液検査でホルモンバランスや甲状腺機能をチェックすることができます。
本編では、気力の低下や慢性的なだるさについて、更年期以外の可能性が潜んでいるケースについてお伝えしました。
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では、更年期世代にオススメのケアについて、専門家に聞きました。
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