更年期、食欲が抑えられない!何を食べても太る…原因は「意志の弱さ」でなく、食事のタイミングと回数にあった⁉【栄養専門医が解説】
更年期世代はただでさえ、だるさやホットフラッシュなどの症状に悩まされがちですが、食に関しても悩みは尽きないものです。食欲がコントロールできなくなったり、太りやすくなったりすると、特に悩ましいですよね。
そこで今回は、日頃から更年期女性の患者さんから寄せられる食事に関する悩みを栄養療法で解決している、医師の梶尚志先生に解決策を伺いました。
◀関連記事◀『甘いものがやめられない…更年期の女性がやりがち!実は「避けたほうがいい食べ方」とは?【栄養専門医が解説】』では更年期女性にとって栄養的に避けたほうがいい食べ方と正しい摂取方法について教えていただきました。
本記事では、更年期世代の女性にとってのベストな食べるタイミングや頻度、日頃の食事に関する
※写真はイメージです。
更年期世代の女性にとってのベストな食べるタイミングや頻度とは?
更年期の時期は、食事のタイミングや頻度について、次のポイントを押さえておきましょう。
空腹時間を長くしすぎない
更年期世代の女性にとって重要なのは「空腹時間を長くしすぎないこと」です。これは更年期の症状を悪化させないためのコツでもあります。過度な空腹は低血糖を招き、自律神経の乱れや強い甘味への欲求を引き起こします。また次の食事が過食につながり、血糖値の乱高下をきたして、精神的な不安定感や動悸、多汗など、更年期症状の増幅につながりかねません。
1日3食を基本にする
食事の頻度は1日3食を基本にしましょう。そして血糖が安定する食事内容を心がけることです。甘いものやパン、麺類、フルーツなどの糖質を多く摂取すると、血糖値の乱高下を招きます。また自律神経を刺激し、イライラや不安感、ホットフラッシュ、疲労感を悪化させます。血糖を安定させるには、毎食、たんぱく質をしっかり摂ることが大切です。また朝食は抜かず、夕食は遅くなりすぎないようにしましょう。
断食は避ける
最近、流行している「16時間断食」などは、更年期世代の女性には合わないケースが多く、むしろ更年期の不調を悪化させることがあります。更年期は「痩せるための食事」より、「心と体を守る食事」を優先すべき時期です。過度なダイエットは避けましょう。
更年期女性のよくある悩みや素朴な疑問を解消!
更年期女性は、次のような食事に関する悩みを持つことがあるようです。それぞれ、解決策をご紹介します。
【お悩み1】「食べても食べても食べたい気持ちが消えません」
この状態は多くの場合、意志の問題ではなく低血糖やたんぱく質不足、ストレスホルモンの影響によるものです。血糖が乱れ低血糖症が起こると脳はエネルギー不足と勘違いし、食欲を強く出してしまうのです。対策は、間食を摂ってしまう自分を責めるのではなく、毎食しっかりたんぱく質を摂るように心がけることです。これだけで食欲が落ち着く方は非常に多いです。たんぱく質は、一食につき最低2品を摂取することを心がけましょう。基本は肉・魚・卵・大豆製品などの食材から2品を目安にして摂取すること。2品のうち1品は肉や魚などの動物性タンパク質にするのが理想です。
【お悩み2】「何を食べても太ってしまいます。食べないとストレスになるので我慢しないほうがいいですか?」
「ストレスをためないために好きなものを食べる」という考え方は一理ありますが、栄養不足のままでは逆効果です。更年期の体重増加は、ホルモンの変化と代謝の低下が背景にあります。まずは栄養状態を整えたうえで、適度に楽しむことが大切です。ただし「我慢しない=無制限に食べる」ではありませんので、注意してください。
【お悩み3】「更年期に良さそうなので、トマトジュースや豆乳、緑茶、牛乳をよく飲んでいますが、本当に良いですが?」
トマトジュースはリコピンが豊富で抗酸化作用があり、血圧や血流改善の面ではプラスです。ただし糖質も含むため、飲みすぎには注意が必要です。食事と一緒に少量取り入れる、無塩タイプを選ぶなど、補助的に使うのがおすすめです。豆乳はイソフラボンが含まれ、イソフラボンのエストロゲン様作用が、更年期症状を軽減する場合がありますが、すべての方に万能な飲み物ではありません。緑茶は抗酸化作用がありますが、カフェイン過多には注意が必要です。牛乳は人によって合う・合わないが分かれます。合わない場合は胃腸症状や不調を感じる方もいます。
反対に、避けたいのは、甘い清涼飲料水や砂糖入りカフェ飲料、アルコール飲料を飲み過ぎることです。これらは自律神経と血糖を乱しやすく、更年期症状を悪化させやすいので注意しましょう。
更年期は不調や症状をできるだけ悪化させないために、栄養状態を整えることがとても大切です。実は栄養が足りていないことで、症状が強く出てしまっている方は多くいるのです。
今回ご紹介したことを参考にして、自分にとって体調や心理的な状態がベストになる食べ方を見つけてください。
【取材協力】
梶 尚志 先生
総合内科専門医、家庭医、日本抗加齢医学会専門医、医学博士
岐阜県可児市にて「梶の木内科医院」院長を務め、一般内科・腎臓内科をベースに、分子整合栄養医学(オーソモレキュラー療法)を用いた診療を行っている。薬だけに頼らず、食事と栄養から体調を立て直すアプローチを得意とし、2025年7月名古屋駅前に薬を使わない栄養療法クリニック「七夕医院名古屋院」を開院、特に更年期女性の「原因不明の不調」改善に定評がある。著書に『更年期の不調の原因は、栄養不足が9割』(あさ出版)などがある。
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