岩井志麻子「育ちがいい女」と「育ちが悪い女」のちがいとは?

育ちがいい、育ちが悪いというジャッジ。

この基準も、わりと人それぞれ。とはいうものの、前者は円満な富裕層、後者は貧しく複雑な家の出の人がいわれがち。

 

ある女たちの、事件の話。

お金だけある下品な家だから育ちは良くないとか、お金や家族で苦労はしたのに真の育ちの良さを感じられる、といったいい方もあるし、実際そんな人も少なくない。

最近、スケート選手の実話を元にした『アイ トーニャ』という映画を見た。

伊藤みどりさん全盛期の頃、アメリカにトーニャとナンシーという二大スター選手がいた。当然、二人はライバル。そして、有名なナンシー襲撃事件。今もって真相ははっきりしないところもあり、映画でも解釈の仕方はあなた次第、みたいにしてある。

要約すると、トーニャが直接ではないにしてもナンシーを襲ってケガをさせ、その他のスキャンダルもあって表舞台から消え去る、という話。

 

ヤンキーなトーニャ、洗練されるナンシー

トーニャの育ちの悪さは、映画になる前からよく知られていた。実はナンシーも経済的には恵まれない家庭に育ち、親ではなくスケート関係者の援助を受けていた。

スタート地点は大差ない二人。ところがトーニャは、どんな有名になってお金も入って認められるようになっても、アメリカ人という意味ではない方のヤンキーで、言動も下品なまんま、粗暴で軽薄、服装の趣味も悪く、ダメ男にばかり惚れる。

一方のナンシーは、まるで生まれたときから上流階級にいたかのような立ち居振る舞いを身につけ、私服も衣装も洗練されていき、堅実な家庭も築いてスケート界の有力者になる。この差は何なんだとつぶやいたら、友達の一人がこんなことをいった。

「トーニャは映画の通り、父親不在で母親から常に暴力と暴言を受けていた。ナンシーは、暴力を振るう親に育てられてない。貧しくても、穏やかな家庭に育ったんだよ」

 

家庭の影響もあるけれど

なるほど、納得もしたが。これまた、片方の親がいなくても暴力親がいても育ちの良さをうかがわせる人はいるし、優しい両親に育てられても破滅型になる人もいるんだよね。

自分の欲する心地よい生き方が、世間の評価と合えば育ちがいいことになるのだ。要は自分次第。

何はともあれ、他人の育ちの良さ悪さをいい出すのは四十代からだ。親を亡くす友人知人が増え、自分も直面し、他人ではなく自身の成り立ちについて振り返りたくなるからか。

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