もう、故郷に帰っていいですか?-42歳・栄子の場合(3)-【40女の恋愛事情・story5】
故郷にも、まだ結婚していない同い年の男性は何人もいると母が言っていた。
バツイチの男性も含めればさらに数は増えるという。
どこでそういう人と知り合えるかわからないけれど、同世代のための婚活イベントだって、きっとあるだろう。
田舎で婚活して、少し遅めの結婚式をして、幼馴染みたちに祝福してもらって……。
想像してみたら、なんだかうまく行きそうな気がしてきた。
少なくとも東京にいて、奥さんがいるあの人の事ばかり考えているよりも、
ずっと前向きだ。
そんな風に楽しく思いを巡らせていたところで、
スマーフォンが震えた。
あの人からだった。
「いつごろこっちに来れそう?」
また、そんな風に聞いてくる。
なんでそんなにせっかちなんだろう。
「ちょっとよくわからない。いろいろ疲れたから、こっちでしばらく休もうかなって思ってる」
私は、あの人を、切ろうとしている。
自分でも驚くほどに、今、彼に冷たい。
今なら、このまま彼のことを忘れられそうな気がしていた。
それなのに……。
この記事は
作家&エッセイスト
内藤みか
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