もう、故郷に帰っていいですか?-42歳・栄子の場合(3)-【40女の恋愛事情・story5】

私の人生、何だったんだろう。

今からでもいろんなことを新しく始めることはできる。でも、あの人、妻子のいる彼は。

日頃語られることのないアラフォー女性の恋愛事情をクローズアップした小説、【40女の恋愛事情】

42歳・栄子の場合、1回目2回目に続き、完結の3回目です。

Idyllic rural landscape with road between two fields.

もう故郷に戻ろう。

でも、故郷に戻る私は、なんて空っぽなんだろう。

 

20年も東京で働いていたはずなのに、大した貯金も残っていない。

何か大きな仕事を成し遂げたということもない。

恋人もいないし、特にこれといって趣味もない。

 

母が先日言っていた言葉が、今頃になって胸に刺さる。

「近所の真奈美ちゃんとの子、来年から中学生なんだって。早いね」

「小学校の同級生の絵理ちゃん、こないだ雑貨のお店を開いたんだよ。開店資金ずっと貯めてたんだって」

 

知り合いの近況として何気なく話したことなのだろうけれど、どうしても、今の自分と比べてしまう。

私には子どもどころか、結婚の予定すらない。

お店を開くような資金もない。

何もないことが、急に怖くなってくる。

 

まだ、間に合うだろうか。

何かひとつでいい、これが私、と言えるものを、作りたい。

こっちに帰って来れば時間はできるだろうから、勉強を始めてみようか。

アロマや調理師の資格を取ってみるのもいいかもしれない。

それとも料理学校に通って、結婚準備にするのもいいかもしれない。

 

これから始めたってきっと、遅くない。

人生これからだと思って、1からリスタートすればいい。

まだ、きっと間に合うはずだ。

 

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