異常さを増す夫の支配。「夫がいないと生きていけない」と思わされていた私が、息子の「ある言葉」で離婚を決意した日
ある日、「これはモラハラなんだ」と気づいて
これは、「ガスライティング」と呼ばれる心理的支配によって起きる状態です。繰り返し否定され続けることで、自分の感覚や判断への自信が失われていく。気づけば、相手からの評価が、そのまま“自分自身への評価”になってしまうのです。
Aさんは、ずっと「自分が悪い」と思い込んでいました。そんなAさんが、自分の置かれている状況がおかしいと気づいたのは、偶然見ていたTikTokの動画がきっかけでした。そこでは、モラハラについて説明されていました。無視、監視、人格否定……。語られている内容が、自分の日常と重なっていったのです。
「私がされていることって、モラハラなんだ」
Aさんは、その時初めて知りました。
そして、自分と同じように苦しんでいる人がたくさんいることにも、勇気づけられたのです。「自分がおかしい」と思っていたことが、実はモラハラだった。それがわかっただけで、心が少し軽くなっていきました。Aさんは勇気を出して、動画のコメント欄に自分の状況を書き込みました。
すると投稿者も、見ていた人たちも、
「あなたは一人じゃない」「よく今まで頑張ってきたね」
と、言葉を返してくれたのです。
ずっと一人で抱えてきた苦しみを、初めて受け止めてもらえた瞬間でした。その出来事をきっかけに、Aさんは、「自分の人生は、自分のものなんだ」と考えられるようになっていきました。そして、こんな結婚生活を続ける意味はないと感じ、夫に離婚を切り出したのです。
突然の言葉に驚きながらも、夫はこう言いました。
「お前は俺がいないと何もできない! 離婚なんて馬鹿なことを言うな。今なら許してやるから、言ったことを取り消せ」
まるで、すべてAさんが悪いのだと認めさせようとするような言葉でした。
以前のAさんなら、その言葉に飲み込まれていたかもしれません。「夫がいないと生きていけない」「私が我慢すればいい」そう思っていたでしょう。でも、TikTokで出会った被害者たちの言葉が、Aさんを支えていました。「母親が父親を怖がって生きている姿を、子どもに見せ続けるのはよくない」「たとえ生活が苦しくなっても、笑っているお母さんの方がいい」その言葉が、Aさんに勇気をくれたのです。
「ママが笑ってないと悲しい」息子がつぶやいたその言葉も、ずっと胸に残っていました。息子は、自分が苦しんでいることに気づいていた。だったら、もう自分をごまかすのはやめよう。自分が辛いという気持ちを、ちゃんと認めよう。息子の言葉が、Aさんの背中を押したのです。
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