中谷美紀が、ドイツ人夫の「打ち出の小槌妻」である理由

2018.12.07 LIFE

国際結婚は甘いものじゃない。

 

これが、私がヨーロッパで暮らしていた時に感じたことのひとつです。女性誌では、日本人女性はモテる、ヨーロッパ男は優しい、ヨーロッパでは年を取っても女性が尊重されるとユートピア的なことが言われています。単なる主観ですが、確かに年齢に対する圧や個人の行動をとやかく言う空気は感じられませんでしたし、レディーファーストは徹底している。ほら、やっぱり理想郷じゃないかと思われるかもしれませんが、ある意味日本よりシビアだなと思うこともありました。

 

国際結婚の落とし穴とは・・・

まず、人種の壁。
3年ほど前にGACKTが旅行先のパリで、人種差別を受けたとツイートして話題になりました。パリ在住の辻仁成センセイは「堂々と臨めば差別は受けにくい」とツイート、差別の存在を認めています。有色人種は一段低く見られているのは、男女関係にもあてはまります。

 

すべてとは言いませんが、日本人を含めた有色人種にアプローチをしてくる白人男性の中には、自分が優位に立つために有色人種の女性を選んでいる場合もあります。働かない現地の男性と国際結婚してしまい、奮然と起業して成功した女性も知っていますが、そこまでの覇気もなく、パスポートも夫にとりあげられ、帰るに帰れない人も見ました。日本で婚活する以上に、男性を見る目と世界のどこでも働けるという生活力、生命力が必要になるのかもしれません。

 

次に日本人にはない合理性。
たとえば、ちょっと前まで人前で愛してる愛している言っていたカップルがあっさり別れたり、パートナーチェンジをしたりするというのは、日本ではあまり見ない光景です。愛しているから愛情表現をするけれども、愛がなくなればさようなら。つまり、お互いにメリットを与え続けなければいけないという関係は、「なあなあ」に慣れた日本人にはなじまないこともあると思ったのです。

 

そんなわけで、女優・中谷美紀がドイツ人の音楽家、ティロ・フェヒナー氏と国際結婚をすると発表した際、なかなか難しいのではないかと思いました。しかし、結婚とは確率ではなく、メリットがあるかどうかで決まるもの。フェヒナー氏はウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のビオラ奏者とのこと。あまり情報がないので、ウィーンに住む知人にいろいろ聞いてみたところ、私の予想では、中谷と結婚してトクなのは、フェヒナー氏だと思うようになりました。

 

高嶋ちさ子の回で「音楽で食べていくのは難しい」と書きましたが、自分の名前で観客を呼べる音楽家、つまり超一流の人というのは、本当にわずかです。フェヒナー氏は名門ウィーン・フィルの一員ではありますが、彼の名前で集客できるかどうかというと、疑問です。また、オーケストラの華はバイオリンです。それに比べるとビオラ奏者はどうしても、ややインパクトに欠ける。つまり、超一流かと言われると、ほんのちょっと足りない存在なのです。

 

中谷、夫ともにこの結婚はメリットあり

しかし、中谷と結婚することで、日本の高級女性誌がフェヒナー氏に注目することは間違いないでしょう。オーストリアは観光で食べている国ですから、フェヒナー氏を見るためのツアーが組まれるなどスポットが当たれば、オーケストラ内での彼の地位がアップすることだって十分考えられます。日本での公演も増えるでしょう。超一流どころでなければ、音楽家はそれほど裕福ではないそうですが、トップ女優である中谷が今のペースで仕事を続ければ、フェヒナー氏は経済的な不安も減る。フェヒナーにとって、中谷はまさに打ち出の小槌のような妻ではないでしょうか。

 

中谷もこの結婚で、かなりトクをするでしょう。中谷はドラマで共演した俳優・渡部篤郎と15年近く恋愛関係にありましたが、もともとの二人の関係は、不倫でした。渡部と元妻であるタレント・RIKACOの離婚が成立したものの、事実婚のような関係を続けていた二人ですが、渡部は突然一般人女性と結婚してしまいます。意地悪な見方をすると、中谷は「ヒトのオトコを盗ったと思ったら、盗られた」とも言えるわけで、芸能人としては不倫していたことも、若い女性に乗り換えられたことも葬り去りたい過去でしょう。

 

が、フェヒナー氏との結婚で、過去を上書きすることに成功しました。日本人は白人男性との結婚を美化する傾向がありますし、知的で美しいオトナのカップルとして、中谷夫妻が女性誌からひっぱりだこになることは間違いない。どちらにとっても、トクしかない結婚です。

 

音楽家はオンナ好きが多いと言われており、そこがネックとなる可能性はありますが、その時はその時でしょう。

 

「愛され」だけを追求していると見えないもの

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