子どもの前で殴られ警察へ。「戻ってきてくれ」と泣く夫を置いて、看護師妻が選んだ新しい人生は
警察官の前で、夫が言ったこと
駆けつけた警察官に対しても、夫は
「俺は悪くない」
と言い続けました。
警察官は二人の話を聞いたあと、静かにこう言いました。
「一緒に暮らさないほうがいいと思います」
実はその頃、Cさんはすでに離婚に向けて動き始めていました。貯金が目標額に達する3か月後をめどに、密かに部屋を探し、契約の準備も進めていたのです。しかしこのとき、警察官の言葉が、Cさんの背中を押しました。
Cさんは警察官に付き添われて家を出て、子どもを抱いてホテルへ向かいました。
翌朝、夫から届いたLINEには、
「戻ってきてくれ」
「DV加害者更生プログラムに参加する」
「反省している」
と書かれていました。
その後も、
「お前がいないとダメだ」
「子どものためにも戻ってきてほしい」
と泣きながら電話をかけてきました。しかし、Cさんの心が揺らぐことはありませんでした。
何度も同じことを繰り返してきた。謝られるたびに信じて、また傷ついてきた。この人は変わらない。もう、自分が変わるしかない。そう思ったのです。
Cさんは部屋の契約を進め、子どもと二人で新しい生活を始めるため、一歩を踏み出しました。そして次に考えたのは仕事のことでした。子どもを育てていくためには、安定した収入が必要です。夜勤がなく、休日が確保できて、看護師資格を活かせる職場はないだろうか。そう考えていたとき、同僚から美容クリニックの求人を紹介されたのです。
子どもと過ごす時間を確保しながら、しっかり働くことができる。すぐに面接を受け、ありがたいことに採用が決まりました。こうして、夫と離れた新しい生活が始まったのです。職場でも、家でも怒鳴られない。否定されない。自分の仕事を認めてもらえる。そんな環境の中で、Cさんは気づきました。それは特別なことではなく、本来は当たり前のことだったのだと。
子どもも保育園で少しずつ笑顔を取り戻していきました。夜、二人で食卓を囲むたびに、Cさんは「これでよかったんだ」と、自分の決断に自信を持てるようになりました。そして、家とは本来、安心できる場所だったのだと思い出したのです。
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