余裕で到着するはずの待ち合わせに大遅刻!

じっとしているのが苦手、集中が続かない、衝動的に行動してしまう…ADHDと診断されていなくても、このような特性をかかえることで「生きにくさ」を感じている人は多くいます。今回は、臨床心理士による著作「ADHD脳で困っている私がしあわせになる方法」から、「ツライ」を「楽」に変えるヒントをお送りします。【ADHD女子#15】

時間処理の障害の典型例だけれど「ブレーキがきかない問題」も隠れている

たとえば、 つきあい始めたばかりの彼との初デート。

誰だってあわただしいのはイヤですよね。

早めに起きて、 身支度を完璧にして、 10分前には待ち合わせ場所に到着したいものです。

そのつもりで準備していたはずなのに、 突然

「え? 間に合わないかも!」

という状況に陥ることがあります。 どうしてでしょう。

 

最初は 「1時間もあれば余裕で身支度できる」 と見込んでいました。

でも、 デートのときのメイクには気合いが入ります。

着る服は前日から決めていたにもかかわらず、

「やっぱりこっちがいい」 と脱いだり着たりし始めました。

そのうち 「さっきまでつけていたネックレスがない」 とさがし始め、

どんどん時間がなくなっていきます。

「電車の時間を確認しなくちゃ」 とスマホのアプリで検索したとたん、

出てきた広告に目を奪われてクリック、

以前からほしかった商品が20%オフだったのでつい注文してしまったのです。

気づいたら予定の電車は出発してしまい、

「ああ、 遅刻だ!」 と髪の毛をふり乱して走る始末でした。

 

さてこの大遅刻、 もちろん時間処理の問題が原因にあります。

「1時間でだいじょうぶ」 という見積もりの甘さに加え、

予定以上の時間をメイクや着がえにさいているにもかかわらず、

ネットで買い物までしてしまうのです。

時間への意識が低すぎました。

しかもそこには、「したい」 という気持ちにブレーキがかけられない抑制制御の問題もあります。

時間がないと知りつつ何度も着がえてしまうこと、

着がえることに夢中でアクセサリーを紛失してしまうこと、

しかも20%オフにひかれる気持ちを制御できないこと。

これ全部、 抑制制御の障害です。

ADHDの 人生は常に、こんな感じの

「なにやってるの私!」

のビックリ案件に満ちています。

他人に話すと笑ってもらえても、 当事者にはとても笑えません。

>>次へ(5/4 22:30更新)

<<前へ

ADHD脳で困っている私がしあわせになる方法

中島美鈴・著 meppelstatt・イラスト 主婦の友社・刊

ADHDの特性を持つことで
「生きにくさ」を感じて
苦しむ大人の女性はたくさんいます。
自らADHD脳という
臨床心理士の中島美鈴先生からの
超驚きの具体的な解決法とエールが満載です。

ADHD脳で困っている私がしあわせになる方法

中島美鈴・著 主婦の友社・刊

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク