ワクチン接種を皮切りに異常が噴出。でも、たらい回しにされてしまい…
オトナサローネにお寄せいただいたワクチン接種体験談から、アナフィラキシー疑いの症状に見舞われた益富ありささん(50代・関東地方在住)のお話をご紹介します。後編です。
前編はこちらから
アナフィラキシーを皮切りに吹き出す身体の異常
接種から6日目になってようやくロキソニンが効き、熱も下がってきた益富さん。
「ここで入れ替わるように、光視症という症状が出てしまいました。視野の一部に一瞬光が走って見える症状で、私の場合は右目の下のところに光がちらちらします。起き上がれるようになったので、その日には眼科、また不眠になったため心療内科にもかかりました。心療内科ではアナフィラキシーでこんなひどい目にあったと伝えたところ、そんな話は聞いたことがない、よほど運が悪かったんだねと笑われてしまいました」
目を検査したところ異常はありませんでした。この場合、脳梗塞か脳腫瘍が起因となった可能性もあると言われ、MRIで脳の検査も受けました。幸いにしてこちらも異常はなく、一安心したそうです。
「ところが、接種17日目になって、改めて息苦しくなってしまって。咳も出ていたことからまた出勤停止になってしまいました」
帰宅後、近所で呼吸器専門の病院を探し、経緯を話した上で、息苦しさと咳がとまらなくなったと相談したところ、喘息の診断がおりました。
「レントゲンを撮ったら肺もきれい。昔喘息がひどかった話しをしたら、コロナの可能性はないでしょう、喘息が再発したんでしょうねと言われました。咳の間は出勤できないので収まってから出勤してくださいと」
この頃、益富さんは他の情報源も探し始めました。窓口に異常を相談しても特に有益なアドバイスはない上、たらい回しにされるのに懲りたのです。副反応のアナフィラキシーを研究してる大学病院を見つけ出して問い合わせたところ、話を聞いてもらえた上、症状の聞き取りや検体採取などに協力してもらえないかと依頼されました。
「その大学病院の先生と連絡をとりあっていたところ、喘息専門の病院を紹介され、5月に受診しました。そこでも喘息の再発ですねと診断されたので、コロナワクチンの影響はあるんですか?と聞いたところ、影響は考えらないと言われました」
確かに、ワクチンそのものと直接の関係はないのかもしれません。
「でも、私はワクチンを接種するまで、年齢の割にとても元気でしたし、
これだけの不調が起きたのに…救済の仕組みに対する不信が
5か月経っても接種前の身体に戻らないという益富さん。その後喘息は一旦落ち着く傾向になったものの、不眠も治っておらず、倦怠感も続いています。
「とどめが、救済制度でした。予防接種には予防接種健康被害救済制度という仕組みがあります。厚労省に電話したところ、居住自治体の市役所が対応しているとのこと。窓口に電話をしたところ、これがまた信じがたい対応で」
コロナワクチンこそは接種無料でしたが、救急外来の医療費は自腹。さらに、眼科やMRI、心療内科、喘息専門医にかかって投薬も受けました。しかも益富さんはトータル2週間もの出勤停止になっています。
「市役所にこう言われたんです。ここまで受診した救急外来、眼科、心療内科、喘息専門医、すべてに1通3~5000円の文書を書いてもらう必要があり、申請しても救済措置の審査に1年かかる上、審査に通るかもわからず、すべて無駄になるかもしれません。だから救済制度を利用する人ってほとんどいないんですよ、一応申請用の書類は送りますが、赤字になると思いますよ……と」
*編集部注/申請に必要な書類は状況ごとに異なるため、必ずお住まいの市区町村の窓口にご確認ください。
この相談のための電話はスマホを使ったため、電話代も相当なものになりました。治療費もかかり、仕事はできず、出ていったお金は考えたくもないレベルです。
「喘息専門医にはワクチンとこれらの不調は関係ないと言われました。それは受け入れますが、私からすれば全部つながっています。いまだに息苦しく、咳も出ます。私の場合はまれに見る副反応のひどい例なのだと思いますが、それにしてもこの国と自治体の対応には納得がいきません。仕事は続けていますが、前と同じようには動けず、また症状が出ないかと不安も残ります」
コロナに感染したらきっと命を取られただろうけれど…
いっぽうで、医師に言われた言葉にも納得するそうです。
「大学病院の先生からは、ワクチンでこれだけの症状が出たのだから、コロナに感染したら命を取られるくらいに重症化したでしょう、打っておいてよかったですねと言われました。救急外来の医師も、打ってよかったね、アナフィラキシーではひどい目にあったけれど効果を考えればねと、治療を受けている間、
3回目接種の話も出ていますが、もう打たないと益富さんは言います。
「もっとも、アナフィラキシー症状を出した以上、打たないというより、問診で弾かれて打てなくなるはずです。今度は打たないのではなく打てないのだという点を勤務先にもよく説明するつもりです」
*本記事にはアナフィラキシーの体験談が含まれますが、ご自身に起きた症状はこの内容で判断せず、必ず医師の診断を受けてください。また、アナフィラキシーは現在のところ100万接種に4例程度の発生率と考えられており、国内での事例は透明性を持って公開されています。詳しくは厚労省サイトをご参照ください。 新型コロナワクチンの副反応疑い報告について
*このシリーズでは接種にまつわる「生の声」と「実際にそれぞれの方が行った副反応対策」を可能な限りそのままお伝えするため、個人の感覚や推測等に基づく発言もそのまま掲載しています。十分ご留意の上、お読みください。
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