不倫女の「友達と旅行に行ってくるね」が潜在的に持つヤバいリスク【不倫の精算#54】前編

2022.06.10 LOVE

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後ろ指をさされる関係とわかっていても、やめられない不毛なつながり。

不倫を選ぶ女性たちの背景には何があるのか、またこれからどうするのか、垣間見えた胸の内をご紹介します。

 

知られざる「不倫恋愛の段取り」、こう進んでいくんですね

38歳のKさんと不倫相手との関係は、二年を超えるところだという。

 

相手は趣味のサークルで知り合った同じく既婚の男性で、「たぶんふたりとも、最初からそのつもりがあったと思う」とKさんは振り返った。

 

「この人はいけるかも」という期待、「不倫相手にできる」下心は、双方が感じ取っていれば関係を手っ取り早く進ませる。

 

知り合ってからすぐLINEのIDを交換し、住んでいるところや仕事、家族構成など打ち明けて最後に「配偶者とうまくいっていなくて」と肝心な部分を話す。

「俺もだよ」「大変だよね」「寂しいよね」と心を寄せ合うきっかけを作り、これでお互いに大事なプライベートを共有する人間という確認をする。

 

そわそわしながらランチの約束をし、「食べ終わってからのドライブ」でホテルに入るお誘いをしてくれないか、そんな雰囲気を出してくれないか、とそれぞれが期待を胸に顔を合わせる時間は、体を重ねる前の貴重な刺激になる。

 

肉体を欲しがっている、という熱がこもる空気はふたりが同じ気持ちだからこそ止めようがなく、動悸と焦りと葛藤が決壊してホテルの入り口を目指す。

 

そうやって体をつないでやっと、頭は冷静さを取り戻すのだ。

 

「順調に」不倫を続けてきたKさんのこれまでを聞きながら、不倫相手を探している既婚者の、倫理観の脆さをひしひしと感じていた。

 

が、一度寝て熱が冷める、数回会って飽きるケースもまた多く、Kさんのように定期的に会うつながりが二年も続くのは、珍しいのかもしれない。

 

彼女の夫婦生活は「レスでもうまくいっている」はずだったのだが

その日は別の用事で会う約束をしており、休憩で入った小さな喫茶店で、ふと思い出したように「そういえば、彼の話はしたよね?」とKさんが切り出した。

 

うん、と答えると

 

「今度の週末ね、◯◯に旅行に行くのよ」

 

と身をかがめて小声で打ち明ける様子は、デートにはしゃぐ若い女性のようだった。

 

そこでもう一度彼との関係を「おさらい」したのだが、妻の不倫にまったく気がついていないらしい夫は、週末の不倫旅行も「友達と行く」の言葉を鵜呑みにしているようだった。

 

「大丈夫なの?」

 

「うん、何も心配してない。

ほら、うちはずっとレスでしょ?

あの人はね、私にそんな気持ちはないって決めつけているのよ」

 

運ばれてきたコーヒーに口をつけながら、Kさんはあっけらかんと答える。

 

夫とは子どもが産まれてから10年以上セックスレス、とは聞いていたが、

 

「そこがすっぽり抜けていてもね、子どもがいれば夫婦はやっていけるのよ。

生活が安定していればOK、それはもうないものとして納得していればいいの」

 

と滑らかに話すKさんの顔に苦しみは見られなかった。

 

あえてそれを確認したことはなくても、同じ屋根の下で暮らす夫婦だからこそ、暗黙の了解で済む話。

 

乾いた関係に見えるが、「どこもそんなものでしょう」と笑うKさんの姿に、他人の口出しは無用なのだと思わされた。

 

だが、レスをよしとする空気を受け入れたKさんの熱は別の男性にしっかり向いていて、二年もうまくやれているのは家庭とのバランスが取りやすいのだろうなと感じた。

 

「外で不倫していても、家のことをちゃんとしていれば夫はそれで満足なのよ。

私もそう。

家族に迷惑をかけるような会い方は彼とはしないし、外で楽しんで家が安定するなら文句はないでしょ」

 

夫婦として家庭を支えていくことと、夫以外の男性で肉体の欲を満たすことは、Kさんにとって矛盾しないのだった。

 

そもそも、あなたの中に罪悪感はないの?

不倫相手の彼と向かう先は有名な観光地で、予約しているのは名の通った旅館だった。

 

「彼がね、前からここに行きたいって言っていたの。

やっと予約が取れて、週末はふたりでのんびりしてくるつもり」

 

Kさんは、セットで注文したシフォンケーキにフォークを入れながら弾んだ声で続ける。

 

三ヶ月前から夫と子どもには友達と旅行に行きたいことは伝えていて、泊まりで家を空けることなど滅多にないせいか「ふたりともOKをくれた」とKさんは話す。

 

「泊まる先とか、旦那さんには教えているの?」

 

家族にもし何かあったときのことを考えてそう尋ねると、Kさんは目をしばたいてこちらを見て

 

「あ、うん、一応ね。名前だけ」

 

と早口で答えた。

 

県外まで出ていったときに家で何があるか、穏やかな日常を過ごしていればなかなか思いつかないかもしれないが、そこはしっかり気を配っておくのがルールではないか、と一瞬思った。

 

家族に嘘をついて不倫相手と旅行に出かけることに、Kさんは罪悪感を持っていなかった。

 

だが。

 

「写真とか、あれだよね、ふたり一緒のやつは隠さないとね」

 

何気なくそう口にしたとき、Kさんの指が揺れた。

 

つづき▶▶ねえ、その不倫、本当に「バレてない」の? 脇の甘い妻に次に起きることは【不倫の精算#54】後編

 

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