私たちがごきげんでいることが、社会にとって大事です【高尾美穂先生の更年期の話#3】

雑誌の連載、テレビのコメント、ポッドキャスト……いつ、どこで触れても、同じようにあたたかく清々しい気持ちを受け取れる。そんな産婦人科医の高尾美穂先生に、普段からそっと心を支えてもらっている人も多いのではないでしょうか。

高尾先生をお招きして、主婦の友社の雑誌『健康』×オトナサローネ発の社会提言『アフタヌーンエイジプロジェクト』コラボレーションイベントのお話会が開催されました。

そのお話を7日連続で配信中。

 

私たちがごきげんでいることが、社会にとって大事です

更年期症状の不調が「出る人」と「出ない人」がいるのは不公平な話ですよね。みんなが不調なら、みんなでいたわり合えるのですが、先輩の中には「私は更年期なんてなかったわよ」という人もいます。

 

更年期には体や心がしんどくて休みたくなるという状況があり得るのですが、この世代の女性は日頃から自分の仕事に責任を抱えて過ごしていますから、体調が悪い中で仕事まで無理をすると仕事そのものが続きません。更年期障害を理由として、キャリアをあきらめる女性がまだまだいます。

 

そんな社会を変えていくことと、もう一つ。体調が悪い状態をよい方向に変えていくことは、私たち個人に課せられた課題でもあります。また、努力している人であれば、周囲の人からサポートしようとする空気が生まれやすいのも事実です。

 

「困っているけれど、何もしてない」という人に対しては、「助けてあげたい」という気持ちが起こりづらいのが自然なことではないでしょうか。ですから、周りにヘルプを求めるためにも、調子の悪さを諦めず、何らかの対策をとることは大事です。

 

調子がいい日もあれば、イマイチの日もあるでしょうけれど、皆さんが調子よくあることは、皆さん自身にとってだけではなく、みなさんの周りにいる方にとってもありがたいことです。

 

私たちがごきげんでいることは、周囲の人たちにとっても、とても大事なこと。よくいただく相談で、「子どもに怒ってしまってばかり」というものがあります。

 

わかる。朝起きてこない、夜さっさとお風呂に入らない……、なんてことに対してイライラしてしまう気持ち、めっちゃわかります。

 

でも、それを一言でまとめると「更年期でイライラする」なんですよね。よく考えていただきたいのは、更年期の人がみんなイライラしているわけではないということです。つまり、イライラするには、必ず理由があるのです。

 

朝、子どもが起きてこないことにイライラしている。一生懸命、家事をしているのに、夫がゴロゴロして携帯のゲームをしているからイライラする。ならば、その状況を変えていくほうが建設的なのではないでしょうか。

 

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お話/高尾美穂先生

産婦人科専門医。女性のための統合ヘルスクリニック イーク表参道副院長。医学博士。スポーツドクター。ヨガドクター。東京慈恵会医科大学大学院修了。同大学付属病院産婦人科助教を経て2013年より現職。

 

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