子宮筋腫があると更年期症状が酷くなるのでしょうか【宋美玄先生に聞く 更年期のこと、私たちの体のこと】#6
毎回大好評!公開取材シリーズ4回目、今回のテーマは「更年期、私たちの体、そしてセックスのこと」。
更年期という時期の過ごし方、体に現れる変化、そしてちょっと気になるセックスや膣まわりのことなど、読者からの生の声を宋美玄先生にズバリ質問。さらには、公開取材に参加してくれた皆様からの質問にリアルタイムで答える形で取材を進めました。
今回は「お寄せいただいたすべての質問にご回答いただく」ハードな公開取材でしたが、なんと60分で24もの質問に答えていただきました!
1時間の取材を12本の記事に起こし、丸ごとお届けする本連載。この記事は6本目です!
子宮筋腫、更年期の体調不良……どう向き合えばいい?
質問:47歳です。子宮筋腫や体調不良(精神的な落ち込み、無気力など)更年期障害への向き合い方を知りたいです。
宋先生:子宮筋腫と、更年期。別々にお答えしますね。
まず47歳くらいになってくると、子宮筋腫がうっとうしい人は多いと思いますが、そもそも子宮筋腫は「生理が重くなる」「貧血になる」「大きすぎて骨盤内の臓器が圧迫されて頻尿になる」等の症状がなければ、無視してもいいです。症状があるようなら、治療をするとよいでしょう。
更年期で精神的な落ち込みや無気力が起こっているということですが、それは本当に更年期の影響なのでしょうか?他の原因(職場のストレス、お子さんの進学、夫との関係等)で、うつになる場合もあります。
更年期ならHRTや漢方が効くかもしれませんが、うつなどの他の診断がないかどうかの確認をしながら向き合う必要があります。
このようなケースは、心療内科と婦人科が連携しながら治療を行うことも多いです。
子宮筋腫があると更年期症状が酷くなる?
質問:44歳です。子宮筋腫があります。更年期になったら、どのような症状が現れはじめるでしょうか? 子宮筋腫がある場合、症状が酷くなったりしますか?
宋先生:更年期って、4割くらいの人は何の症状もないし、更年期症状も200くらいの症状があるので、どのような症状があるかというのは人によります。多いのは、ホットフラッシュ、肩こり、めまいですね。
子宮筋腫がある方は、生理の出血がイレギュラーになることがあります。ホルモン治療をしていても、筋腫がある人は出血が多いのです。もし、何十年もHRTを続けるなら、子宮を摘出することを考えてもいいかもしれません。
子宮がある人はずっとプロゲスチン(黄体ホルモン)を補充しなければいけません。そのときに筋腫があると出血が多かったり、HRTで筋腫が大きくなったりします。
その人の価値観によって摘出する・しないを決めるべきだし、摘出手術の合併症のリスクもあるけれど、それでも50歳以上で子宮を温存することのメリットは感じないですね。
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(文/星雅代)