46歳更年期、「え、嘘…3秒で眠れた…!」限界だった私を救ったのは、先輩のアドバイスと「ある治療」だった

2025.04.24 LIFE

オトナサローネは同世代の女性100人がいまどのような更年期を迎えているのか、そのあり方を取材しています。

ご本人の年齢や各種の数値は取材時点のものです。

<<前編:47歳「これって更年期?それとも脳の病気なの?」理解力が落ちて、人の話が理解できない。焦る私に年下の部下がかけた「とんでもない言葉」とは に続く後編です。

 

【100人の更年期#124】後編

◆ユウコさん 47歳
宮城県でひとり暮らし。フレキシブルな勤務が可能な職場で正社員として勤務中。昨年、部署異動で新しい仕事に就いた。

 

30代の後輩女性には、更年期のつらい症状は分からなくて……

46歳では肌荒れやドライアイといった身体の変化に悩まされたユウコさん。ところが、47歳になると、今度は“心”に不調が現れるようになります。

「やらなきゃいけないことを忘れてしまうんです」

メモを取るように工夫しても、そのメモをきちんと書けなかったり、どこかへなくしてしまったり……。「頭の中がずっとごちゃごちゃしている感じ」で、集中できず、考えもまとまらなくなっていきました。たとえ休んでも、気分の落ち込みは回復しません。気持ちがついてこないまま働き続けるうちに、仕事のミスも少しずつ増えていきました。

 

そんななかで、仕事を一緒に進めていたのが、30代の後輩女性。彼女はユウコさんの体調はお構いなしで、次々とチャットで指示を送りつけてきます。

「いつまでにできますか?」

仕事の進みが遅いことに苛立っているのか、詰めるような言い方をされることもありました。

“早くやらなきゃ”という気持ちはあるのに、体も頭もついてこない。限界を感じたユウコさんは、思い切って更年期症状のつらさを打ち明けました。それでも、若い彼女にはユウコさんの状況は分からないようで、態度に大きな変化はなし。「私だって、生理前のPMSがつらいんですよ」と言われてしまって……。元気いっぱいの30代に更年期症状を伝えるには、こんなにも壁が分厚く、理解してもらうのは難しいのだなと思いました」。

 

「これは脳の病気?うつ病?」悩む私に、救いの言葉をくれた先輩女性たち

「もしかして、私ってうつ病なのかな?」

「それとも、脳の病気……?」

理解力の低下や眠れない日々が続くなかで、ユウコさんの心はどんどん追い詰められていきました。そんなとき、救いの手を差し伸べてくれたのは、同じように更年期のつらさを知っている女性たちでした。

 

たまたま同年代の派遣社員さんと、60代の先輩女性の3人でランチをする機会があり、思い切って自分の状態を話してみたところ、「私もそういうことがあったわよ。それは、婦人科に行ったほうがいいわね」と、やさしく背中を押してくれたのです。

それまで「こういう症状って、どこに相談すればいいのか分からなかった」と話すユウコさん。このアドバイスをきっかけに、更年期外来のある婦人科を受診しました。

 

HRTを始めた日から、「3秒で眠れるようになった」

婦人科では、自分の不調を医師に伝えるだけで涙が出てきたそう。しかし女性医師が「つらいよね」「わかるよ、私もそうだったから」と寄り添ってくれたことで、心がふっと軽くなったといいます。

更年期の診断テストを受けた結果、「これは治療すべき状態なんだ」と、客観的に自分の今を受け止めることができました。

始めたのは、HRT(ホルモン補充療法)。ジェル状のエストロゲンを腕に塗り、黄体ホルモンを補う飲み薬を毎晩1錠、就寝前に服用するというものです。

「今まで、あんなに眠れなかったのが嘘みたいに、3秒くらいでストンと眠れるようになったんです」
そう話すユウコさん。眠れるようになってからは、日中の頭のぼんやり感も改善し、理解力も回復。
さらに、耳鳴りや頭痛も徐々にやわらいできたといいます。

 

勇気を出して上司に相談。「意外と、ちゃんと話を聞いてくれたんです」

HRT治療を始めるときに、自分の更年期症状について上司に告白したというユウコさん。

「朝、起きるのがつらいなんて、甘えていると思われるんじゃないか」

「仕事ができない理由を更年期のせいにしてるって、思われるかもしれない……」

そんな不安がなかったわけではありません。でも、「もうダメだ、限界だ」と思って、男性のマネージャーに勇気を出して、相談しました。

 

婦人科で受けた診断テストの結果と、HRTのパンフレットを見せながら、自分にどんな症状があって、何ができなくなっているのかを素直に伝えたそうです。すると、予想とは裏腹に、しっかり耳を傾けてくれました。

「もっと塩対応されるかと思ってたんです。でも意外とちゃんと聞いてくれて。診断の結果を見せたのも良かったのかな」

上司は「すごくつらそうだったから」とユウコさんを気遣い、職場を変えてくれました。そのおかげで、今は新しいメンバーと仕事ができる環境になりました。

 

一人で抱えこまないで、仲間を見つけて

「正直、勇気は要りました。でも、相談してよかったと思っています」

そう語るユウコさんが、今、同じように悩む同世代の女性たちに伝えたいこと……それは、「一人ぼっちで悩まないこと」。

「仲間を見つけることが、本当に大事だと思います。思い切って誰かに話してみると、意外なところで“わかってくれる人”に出会えたりする。実際、私もそうでしたから」

今も体調に波はあるけれど、少しずつ自分を取り戻しつつあるユウコさん。

“誰にも言えなかった”日々を抜け出したからこそ、今、誰かの支えになる言葉を持てるようになったのかもしれません。

<<前編:47歳「これって更年期?それとも脳の病気なの?」理解力が落ちて、人の話が理解できない。焦る私に年下の部下がかけた「とんでもない言葉」とは

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