夫の支配が「効かなくなった瞬間」。元モデル妻が取り戻した“心の自由”とは
Kさんは、夫の嫉妬深さや暴言だけでなく、生活費を減らされ、夜の関係を強要される日々の中で、“自分が悪いのかもしれない”という思い込みに縛られていました。
前夫に突然捨てられた経験も重なり、「また見捨てられるかもしれない」という恐怖は、夫に逆らえない深い鎖になっていきました。やがて、泣いて謝っても何も変わらない現実の中で、Kさんの心は少しずつすり減り、“このまま消えてしまいたい”と願ってしまうほど追い詰められていったのです。
しかし……Kさんの人生はここで終わりませんでした。その暗闇の中でかけた、たった一本の電話が、
Kさんの思い込みを揺さぶり、支配の中から抜け出す最初の一歩になっていきます。
前編「『拒めば激怒される』夫婦生活を毎日強要され…浮気までされた元モデル妻が味わった“地獄の結婚”」に続く後編です。
Kさん……都内在住の35歳、元モデル。夫は8歳年上の実業家。
Kさんを救った、たった一度の電話
Kさんはある日、誰かに話したい、助けてほしいという気持ちが抑えられなくなりました。そして、ネット広告に出ていた電話相談の番号へ思い切って電話をかけました。全く知らない相手だったからこそ、これまで胸に溜め込んでいた苦しみ、夫の支配、どうしていいかわからない不安……そのすべてを言葉にすることができたのです。
電話の向こうのカウンセラーは静かに耳を傾け、Kさんの思い込みを揺さぶる、こんな言葉を伝えてくれました。
「モラハラ夫は、すがってくる女性を大切にしません。」
「あなたが怯えている限り、夫の支配は強くなるんです。」
その言葉を聞いた瞬間、Kさんの中にかかっていた長い霧が、スッと晴れたように感じたといいます。カウンセリングで言われた言葉を、Kさんは何度も何度も噛みしめました。
「モラハラ夫は、怯える妻には強く出る。怯えない妻には支配をしない。」
泣いてすがっても、夫は抱きしめなかった。謝っても、夫は許さず、さらに責め立てた。泣けば泣くほど、謝れば謝るほど、夫の支配は強まっていくだけだったのです。
その時、Kさんは「いつの間にか夫に心まで支配されていた」ということに、やっと気づくことができました。そしてしばらく後に、変化が訪れたのです。
ある日、夫がいつものように激しく怒ったとき、Kさんは泣くことも、反論することも、謝ることすらしませんでした。その瞬間、Kさんの中で、夫への執着がスルリと抜け落ちました。
「どうして私は、こんな人にすがっていたんだろう」
その気づきが、Kさん自身の態度を少しずつ変えていきました。
夫に変化が… 次ページ
スポンサーリンク









