1100万円を「非課税」でもらうには?生前贈与で賢く「節税」!株や生命保険でも、損せず資産が移せる!?【お金のプロが解説】
「子どもに資産をどう残す?」「生前贈与ってやっておくべき?」と気になったことはありませんか?言葉はよく聞くものの、税金やルールが複雑そうで、なかなか具体的に考えるきっかけがつかめないという人も少なくありません。
こうした疑問に対し、 FP・金融コンサルタントとして30年間活躍してきた川口幸子氏は、生前贈与は基本を理解し計画的に進めることが大切だと語ります。
本記事では川口氏の著書から、生前贈与の上手な活用法や贈与税の基本について、分かりやすく紹介します。
※本記事は書籍『FP歴30年の母が20代の娘に伝えたい人生が変わるお金の話』(川口幸子:著/日本実業出版社)から一部抜粋・編集したものです
生前贈与の上手な活用法
親からお金や財産を生きているうちに受け取る「生前贈与」は、20代を中心に身近な話題になっています。
親としては、元気なうちに自分の子どもや孫に財産を渡しておきたいという気持ちがありますが、贈与を受ける側も贈与税のルールをしっかり理解しておくことが大切です。
年に110万円の贈与までは非課税では非課税
まず覚えておきたいのは、贈与には「贈与税」がかかる可能性があるということです。贈与税とは、個人から財産をもらった時に、もらった人に課される税金です。
ただし、年間110万円までは「基礎控除」と呼ばれる非課税枠があり、この金額までは贈与税がかかりません。つまり、毎年110万円までの贈与であれば、申告も納税も不要です。
たとえば、毎年110万円ずつの贈与を10年間続けると、合計で1100万円を非課税でもらうことができます。これを活用すれば、相続が発生する前にまとまった資産を家族に移すことも可能になります。
ただし、この贈与は「単発の贈与」として扱う必要があります。そのため毎年、「贈与契約書」を作成して「今年も贈与が行われた」という証拠を残すことが大切です。
これを怠ると、後で税務署に「連続している贈与」とみなされてしまい、相続時に遡って課税されるリスクがあります。
また、贈与税の納税義務は「贈与を受けた人」にあります。たとえば、父母それぞれから年間110万円ずつ贈与を受けたとしたら、合計220万円のうち控除できるのは110万円のみとなるので注意が必要です。
【贈与税の基礎控除枠】
◎ 毎年(1月1日~12月31日まで)、110万円までの贈与であれば、申告も納税も不要
◎ 毎回、「贈与契約書」を作成する
→毎年、110万円の贈与を10年間続けると、合計1,100万円を非課税でもらうことができる
※ 贈与した人(Aさん)が亡くなると、7年前まで遡って、贈与した金額がAさんの相続財産に加算されて相続税額が計算されます。
生前贈与は、財産を渡すこと以上に「想いをつなぐ」ための方法。上手に使うと家族の未来が整います。
生命保険料の贈与は節税にも使える
さらに、生前贈与には資産の種類によって節税の工夫もあります。株式の贈与はその代表です。株は価格が変動するため、贈与のタイミングによっては評価額を低く抑えられることがあります。
具体的には、贈与日の株価や前月の平均株価など、複数の株価のうち最も低い評価額を適用できます。そのため、 株価が低い時期を狙って贈与すれば、 評価額が下がり、 節税につながるのです。
また、生命保険は生前贈与や相続税対策でよく利用されています。たとえば、親を被保険者として子どもが生命保険に加入し、保険料を親から贈与された現金で支払うケースです。
親が亡くなった時に子どもが受け取る保険金には、法定相続人1人あたり500万円の非課税枠があるため、まとまった額でも非課税で受け取ることができます。これにより、相続税の負担を減らしながら資産をスムーズに移転することが可能です。
死亡診断書が受理されると、営業日3〜5日で死亡保険金が振り込まれます。相続税や様々な費用をそこから支払うこともできます。
まとめると、
・年間110万円の基礎控除を活用して計画的に贈与を受ける
・毎年、贈与契約書を作成して贈与の記録を残す
・株式や生命保険など資産の種類ごとに節税対策を考える
以上が生前贈与を上手に活用するポイントです。
生前贈与は家族の未来のための手段
上手に生前贈与を使うと合理的に資金の移動ができるので、もしあなたの両親に贈与をするつもりがあったり、将来、資金をまとめて渡そうという計画があるのであれば、早いうちに取り組むことを考えてみてはどうでしょうか
将来の資産形成や相続対策を考えるなら、親子でよく話し合い、場合によっては専門家に相談して計画的に進めることが安心につながります。
贈与された資金で早期に運用を始めれば、それだけ多くの資産を築くことができる可能性が高まります。生前贈与は、ただ財産をもらうだけでなく、家族の絆や未来を考えるための大切な手段でもあることを忘れないでください。
ここまでの記事では、「生前贈与の上手な活用法」についてご紹介しました。つづく関連記事では、相続の基礎知識についてお届けします。
つづき>>もしも、妻と子ども2人を残して夫が亡くなったら「税金ゼロで相続できる」のはいくらまで?知らないとトラブルや税金問題にも発展!【お金のプロが教える相続の基礎】
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著者:川口幸子(かわぐちゆきこ)
金融コンサルタント、ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引士、国際認定コーチ、マネーセミナー講師。家庭の事情から幼少期に祖父母の元で暮らし、米国や英ロンドン、日本の行き来を経験。資産家ユダヤ人や欧米人富裕層との出会いから”欧米式のお金の教育”を受けて育ち、8歳で長期積立分散投資をスタート、13歳で約400万円を貯める。銀行勤務を経てFP・金融コンサルタントの道へ。金融教育や講演にも力を入れ、現在約4500名の顧客を抱えている。著書に、『ユダヤ富裕層が13歳までに学ぶお金のルール』(秀和システム)、『定年5年前に読むお金の本』(PHP研究所)等がある。
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