更年期のクリニックで医師に叱られてしまい、もう行きたくない。そういうときは「病院を変更していい?」
「お会いするだけで更年期の沈んだ気持ちが前を向く」「楽しくお話して、気づいたら心にわだかまっていた重いものが消えていました」とファンも多数の産婦人科医・小川真里子先生。現在は福島県立医科大学での診察と併せて、週に一度、東京・JR五反田駅のアヴァンセレディースクリニックで更年期外来もお持ちです。
長年に渡って女性特有のトラブルに向き合ってきた小川先生に、更年期時期の女性へのメッセージをいただきます。今回は「更年期症状で婦人科を受診するときの心構え」について。(1/2/3/4)
【女性の身体、思春期から更年期までby小川真里子先生】
「この先生と合わないかも」と感じたとき、クリニックを変更してもいいものですか?
‐‐また話が前後しますが、他院にかかった記録を先生に見せていいのかという点に迷います。以前は「ヨソにかかっているならそっちへ行け」と怒る先生もいらっしゃったと聞きますが、今はそういうことはないのでしょうか。
私については、しんどい中、ドクターを変えるのも勇気がいるだろうに「よく来たね」と感じます。反対に私のところから他の医師にかかってみたいと言われても、私は気分を害することはありませんし、紹介状を頼まれれば書きます。全然気を遣わず、遠慮なく他の医師にかかっていただいていいと思います。
患者さんも、有名な医師がいいという方もいれば、近くの通いやすさを重視する方もいらっしゃいます。トータルで相性のいい医師を探すのは、決して悪いことではないと思います。また正直なところ、「それはクリニックを変えたほうが」という例も実際にあります。
‐‐お医者様に歓迎されていないと感じる場合、相性が悪いと思ったら、様子を見てもう何回か通ってみるより、変えてしまっていいのでしょうか。
検査をした場合は、その結果を聞きに行かないと損になりますから、少し悩ましいところもありますが……そもそも歓迎されていないと感じることがあるんですか?
‐‐友人に、コロナ禍中に通院先を変えたら「きみたちがこうしてドクターショッピングをするから」と怒られてしまい、ショックを受けて通院しなくなってしまった例があります。
そういうことは、残念ながらまだあるのだと思います。たまたまその時、その先生に何か事情があったのかもしれませんが、やはり相性の問題もあります。私は特に、更年期障害の診療は相性がとても大事だと思っています。私と合わないと感じる方もたくさんいらっしゃると思いますし、それは当たり前のことです。他の先生にかかりたいと思ったら、行っていただければいいと思います。
まだまだ、医師の言葉にショックを受けてしまうという経験があるかもしれないけれども
‐‐私自身も5年前、HRTを断られ続けて3院目の産婦人科クリニックで「あなた、なんでこんなに何もしてこなかったの」とひどく叱られ、衝撃のあまり更年期取材を始めました。しかし、いまだに「年だから仕方ないとけんもほろろだった」「汗くらい気にしすぎだと言われて悲しかった」などの声が寄せられます。
それは本当によくあると思います。残念ながら「しょうがないのよ、老化よ」と言われてしまうことは、日常茶飯事だと思います。思い返せば私も五十肩は「加齢です」と言ってしまうことがありますが、しかし、そういうものと更年期症状のしんどさが同列にされてしまうのですね。
更年期症状のように思えて、実は加齢の影響のほうが大きい症状もあるのは事実です。また、更年期障害を得意としない先生が、歓迎されていないと感じさせるような対応をしてしまうことも、まだまだあると思います。そういう場合は、もう悲しむよりもドクターをチェンジしてください。
‐‐都内ならば次を探せますが、たとえば首都圏でも埼玉県は東京ほどは産婦人科数が多くないことで知られます。ましてや地方では他院という選択肢がないこともあります。たとえばオンラインの診療先を探すという選択肢もありえますか?
最近、オンライン診療も増えてきています。上手に利用できるといいのですが、結局はどこかご近所で年に1回はエコー検査を受けて、卵巣や子宮内膜をチェックしてね?という話になってしまいます。ただし、更年期障害の相談そのものは、話を聞くだけならオンラインでも十分だと思う部分もあります。
オンラインのメリットとデメリットについては、まだ分かっていないことが多いですが、いずれはそうした相談しやすい仕組みが発展していくといいなと思います。
‐‐診療報酬が改定されて、成人病などのように更年期障害にも管理料がつくようになると、オンラインでも対応しやすくなりそうでしょうか。
そうですね。ただ、婦人科のエコー検査は健康診断だけでは代替できない部分があります。難しいところですが、オンラインでできることが増えていくといいですね。
‐‐ありがとうございました。できる限り便利に受診できる方法が増えて、誰しもが更年期で仕事をやめたり、寝込んだりしないでいい社会を実現できるといいです!
お話/小川真里子先生
福島県立医科大学 ふくしま子ども・女性医療支援センター 教授
1995年福島県立医科大学医学部卒業。慶應義塾大学病院での研修を経て、医学博士取得。2007年より東京歯科大学市川総合病院産婦人科勤務、2015年より同准教授。2022年より福島県立医科大学 特任教授。日本女性医学学会ヘルスケア専門医、指導医、理事。日本女性心身医学会 認定医師・理事。日本心身医学会 心身医療専門医・代議員。2025年11月から福島県立医科大学 ふくしま子ども・女性医療支援センター 教授。東京・JR五反田駅のアヴァンセレディースクリニックで、毎週金曜午前に完全予約制の更年期・PMS外来もお持ちです。
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