アートメイクをしていると、MRI検査が受けられない!? 「知らないと命に関わる」と医師が警鐘。絶対に避けるべきサロンの見極め方【後悔しない「入れ方」も解説】

前編では、どれほど正しい技術で浅く入れたアートメイクであっても、体内の免疫細胞であるマクロファージの働きによって、最終的にはタトゥーと同じ深さにまでインクが落ち込んでしまう可能性があるという衝撃の真実をお伝えしました。

続く後編では、近い将来、私たちの誰もが受ける可能性のあるMRI検査への隠された影響や、のちのち後悔しないための賢いクリニック選びの基準、転ばぬ先の杖となる大人世代へのアドバイスについて、西林涼子先生に詳しく解説していただきます。

 

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『アートメイクが「数年で消える」は嘘だった!約2カ月で「タトゥー化」する皮膚のメカニズムとは?医師が明かす、衝撃の真実』

 

TOP画像/shutterstock.com

 

 

知らないと命に関わる?近い将来に自分も受けるかもしれないMRI検査の盲点

これからアートメイクをしようと考えている40~50代の大人女性にお聞きしたいのですが、アートメイクをしていると病院でMRI検査を断られるリスクがあるということをご存じでしょうか?

実は、カウンセリング前の問診や事前の同意書でこのリスクについてきちんと明記して説明している医療機関もあれば、まったく触れていない施設やサロンもあるのが現状です。そのため、施術を受ける方のほとんどがこの事実を知らないまま、アートメイクをする決断を下してしまっています。

 

MRI検査、すなわち磁気共鳴画像検査は強力な磁石と電波を使って体の内部を撮影する精密な検査です。40代以降の女性にとって決して他人事ではない、乳がんや子宮がんをはじめ、脳梗塞や脳腫瘍などの脳疾患、さらには変形性膝関節症といった膝や腰の激しい痛みなど、重篤な病気の早期発見や診断に欠かせない極めて一般的な検査です。近い将来、だれもが受ける機会がある重要な医療行為なのです。

MRI検査。shutterstock.com

アートメイクのインクには、色を出すための成分として微量な金属が含まれていることがあります。これがMRIの強力な磁場と反応して、ピリピリとした痛みを伴う軽度の火傷を起こしてしまう恐れがあるのです。

そのため、ネット上では鉄分などの金属成分が含まれないインクを選べば大丈夫という噂が流れることもありますが、インクの安全性が確保できれば大丈夫だと楽観視するのは禁物です。 なぜなら、アートメイクの絶妙なニュアンスカラーを出すためには、数多くの有機顔料や無機顔料がインクとして最初から複雑に入り組んで調合されているからです。一見ただの茶色に見えるインクであっても黒色の黒酸化鉄が含まれていたり、発色を高めるベース成分として白色の金属成分である酸化チタンが最初から一緒に混ぜ合わされていたりします。インクの中身を完全に金属ゼロにコントロールすることは技術的に不可能に近いののです。

採取した眉の皮膚組織を顕微鏡で拡大した画像です。アートメイクのインクである黒い粒状の組織が、肌の代謝で剥がれ落ちる表皮をはるかに通り抜け、その下にある真皮層にまでガッツリと残存しているのがわかります。

インクの色みがよりわかりやすいよう、特殊な染色を施していない皮膚組織の拡大画像です。インクの一番浅い部分は皮膚の表面からわずか0.197mmですが一番深い部分は1.24mmに達しており、顕微鏡で見ると、約1mmもの幅にわたってインクが何層にも重なって深く局在している現実を示しています。また、私の研究データでは表皮からインクの最深部までの距離は中央値で0.63mmとなっており、理論上のアートメイクの定義である0.3mm付近とは大きく乖離していることが分かっています。

実際には、タトゥーとアートメイクでは体に入っているインクの総量が圧倒的に違うため大きな問題になる可能性は極めて低く、私自身もアートメイクを入れた状態で、MRI検査をたまたま受けることができています。 しかしこれはあくまでも一例に過ぎません。最も注意すべきなのは、病院側の受け入れ基準です。病院側は外見から、どんなインクがどれだけ入っているかを判別できません。そのため、万が一非常に高額な医療機器にトラブルが起きたり患者様が火傷を負ったりするリスクを避けるために、アートメイクの申告があった時点で一律検査をお断りするという厳しい基準を設けている大病院が少なからず存在します。

ですから、インクの種類にこだわって楽観視するのではなく、将来病気になった時にMRI検査の制限を受ける可能性がある病院も存在するというリスクをあらかじめ了承したうえで、受ける覚悟を持ってください。最近の慎重な患者様の中には、乳がんなど万が一の病気に備えて、事前にアートメイクが入っていてもMRI検査を受け入れてくれる大病院を自分でリサーチし確保してから、施術に臨まれる方もいらっしゃいます。

 

 

▶アートメイクで失敗しないために。施設の見極め方のポイントは?

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