うなぎに見えるけど違います…「夏の土用」の時季に食べると調子が整う、意外すぎる食材とは?「お安くてありがたい」

こんにちは、再春館製薬所の田野岡亮太です。

 

2026年の大暑(たいしょ)は7月23日から8月6日。朝から夜まで気温がずっと高いままの暦になりました。知らず知らずのうちに軽度の熱中症になってしまいがちなので、十分にお気をつけください。

 

「大暑」を含めた二十四節気は、紀元前300年代の中国で始まったそうです。暦の名前の「大」は文字通り「大きい・盛んである」という意味ですが、人が両手両足を大きく広げて立つ姿をあらわしていると言われます。その頃の方々が両手両足を広げて「大きい暑さが来る時季だよ!と呼びかけてくれている」と捉えることもできます。2300年あまりの間、この時季はずっと「暑い」のが基本状態。上手に涼をとりながら、身体に“暑”の影響が出ないようにすることが良さそうですね。

【田野岡メソッド/二十四節気のかんたん養生】

いよいよ、夏の土用に入ります。そして大暑(たいしょ)は夏の真っ盛り!

7月20日から夏土用に入りました。土用とは、一つの解釈の仕方としては「次の季節への準備」の期間で、春夏秋冬に季節が移る直前の約18日間がその期間にあたると言われます。

 

夏の土用とは、「夏が終わって秋に入るので、その準備をしましょうね」という意味合いの期間です。“大暑”は暑さのピークで、言わば夏の最終ラウンド。太陽の強い陽射しが照りつけて、陽炎がゆらゆらするような時季です。

 

人間は自然の一員なので、人間を取り巻いている“自然”も本来は心地良く感じるものです。身体に心地良さをもたらしてくれる風(かぜ)、身体をほどよく温めてくれる熱(ねつ)、乾燥が気になるぐらい乾いている時に身体を潤してくれる湿(しつ)など…です。

 

ただ、外気も程度が過ぎてしまうと身体にとって負担となる良くないものになってしまいます。外気が強すぎて身体に少し悪い影響を及ぼしてしまう…それを中医学では“外邪(がいじゃ)”と呼んでいます。

 

大暑は暑さのピークで、外気の「熱」も勢いがピークになる頃です。暑い季節の熱風という外邪を逆手にとり、それを心地良いものに活用したのが納涼文化のひとつである“風鈴”ですね。昔からこの時季は暑いので、自然界にある力を身体の納涼に活用できるように…風鈴で耳から涼感を得たり、水辺の風にあたって涼をとったり。自然とともに生きている自分たちをより心地良くする工夫の結実、これも立派な養生に感じます。

 

夏土用のころに、身体にはどんなことが起きている? 鍵は「脾」にありました

夏土用は「そろそろ夏が終わります。秋を迎える準備をしましょう」という変化の期間です。夏の身体のままだと秋になった時に不調が起きやすくなります。暑い夏の疲れを残したまま秋を迎えると、なおさら身体に不調を感じやすくなります。「土用」という言葉を耳にした今こそ「シフトチェンジしましょう」という頃合いです。

 

暑い夏は“炎熱”の性質の“心(しん)の機能”が活発に働きたくなる季節です。心は、中医学で脳・精神をあらわす“神(しん)”とも関りが強いので、心が疲れてしまうと神にも影響が生じます。神への影響は、寝つきが悪い・眠りが浅いという「不眠」という形で身体がご本人様(=自分)にメッセージを送ってきます。

 

また、土用は“変化”の季節とお伝えしております。“変化”を好む性質は“脾(ひ)の機能。食べた物を消化する働きを担っています。「次の季節のために頑張って消化して栄養を摂り込むよ!」と意気込んでいるのですが、脾の機能はベタッとした湿度を嫌います。暑くて水分ばかり摂っている、偏食で朝食は食べていない、夜遅くに飲食を続けてしまう…と、食生活が乱れていると、脾に溜まる湿気も増えて湿邪になってしまいます。

 

それと、脾の機能を含めて五臓は熱エネルギーで動いています。かき氷・冷水・キンキンに冷えたビール…脾がなかなか働きにくい条件がそろいがちですね。「季節の変化に合わせて身体を整える約18日間」と一つの解釈の仕方では捉えられている土用期間です。「脾の機能」をいたわることに気遣ってみましょう。

 

なつめ茶ソースの照焼き鶏レバーパテ重

夏から秋への変化の期間、夏土用。夏の影響でバランスを崩しやすいのは“心・神”と“脾”の機能ですが、“土用”ですので「変化」を担う“脾”の機能への意識を特に高めてみましょう。

 

“脾”の機能は、「変化の季節に働きたくなる性質」で「暑さをまとった湿気や冷たい飲み物の影響が活動にあらわれやすい消機能」とも表現できます。食べたものを消化する機能ですので、「脾の機能にうれしい食材」を意識した献立で身体に摂り入れるのも一つの方法です。

 

“脾・心の機能にうれしい食材”でおススメなのは、なつめ、鶏レバー、じゃがいも、れんこん、きゅうり、とうもろこし、ねぎ、豚肉、牡蠣、豆板醤などが挙がります。

 

これらの“脾・心の機能にうれしい食材”を使ったおススメレシピの1つ目は「なつめ茶ソースの照焼き鶏レバーパテ重」です。土用というと「土用の丑の日のうなぎ」が頭に浮かびますが、うなぎに次ぐおススメの食材を探したところ“鶏レバー”が挙がりましたので、細かく刻んでペースト状にした鶏レバーをなつめ茶ソースで照焼きにしてお重のごはんに乗せてみました。

 

作り方は、まず“なつめ茶ソース”を作ります。水300mlに種を取ってみじん切りにしたなつめ(5個)を入れて30分放置した後、中火で10分煮出します。酒(大さじ4)・しょうゆ(大さじ4)・みりん(大さじ4)・きび砂糖(大さじ2)を加えて沸騰させます。木べらで混ぜて、とろみが出てきたら火を止めます。

 

次に“鶏レバーパテの薄焼き”です。レバー(150g)は沸騰したお湯にくぐらせた後、血の塊を取り除いてペースト状にします。ボウルにペースト状の鶏レバーを入れて、すりおろした生姜(1片:大さじ1.5)・蒸してマッシュしたじゃがいも(1個分)・みじん切りにしたれんこん(1/2個分)を合せ、薄力粉(大さじ2)を加えて混ぜ合わせて鶏レバーパテにします。ヘタを取ってピーラーで薄切りにしたきゅうり(1本)を5~6枚重ね合わせて並べ、これに片栗粉を薄くまぶした後、鶏レバーパテを乗せます。フライパンで鶏レバーパテの面を下にして焼き、ひっくり返してきゅうりの面にも焼き色がついたら、“なつめ茶ソース”を絡めて照焼きにします。お重によそった白ごはんに鶏レバーパテの照焼きを乗せて、山椒の葉(1枚)を添えたら出来上がりです。

 

「土用の丑の日」で頭に浮かぶうなぎは「肝と腎の機能のコンディションを整える」働きが期待できるので、身体に摂り込むと活力の源になりますが、併せ持った脂分の消化にパワーを必要とするため、脾の機能が少しバテ気味だと上手く消化できないことも懸念されます。

 

今回パテとして用いた鶏レバーは、うなぎと同様に「肝と腎の機能のコンディションを整える」働きが期待でき、さらに「身体に血を補って、目の疲れを改善する」働きも期待できます。うなぎに引けを取らない食材ですので、「おなかのコンディションを整える」働きが期待できるじゃがいも・れんこんと合わせて、「身体に気と血を補って、おなかと精神のコンディションを整える」働きが期待できるなつめ茶ベースの照焼きソースを絡めることで、脾・心の機能におススメのレシピになりました。

 

うなぎと鶏レバーについて、少し西洋学的な説明となり恐縮ですが、それぞれに含まれている有用成分は“ビタミンA”。鶏レバーにはうなぎに引けを取らない含有量があるとのことですので、夏土用におススメの食材として取り上げてみました。鶏肉は身体を温める性質でもあるので、バテ気味の消化機能には嬉しい食材ですね。「暑くて食欲がなくて…」と感じていらっしゃる方は、まずは鶏レバーを手に取ってみて、食欲の調子が整い次第「うなぎ」にチャレンジいただけると良いかと思います。

 

とうもろこしとねぎの豆板醬炒め

2つ目も“脾・心の機能にうれしい食材”を使ったレシピとして「とうもろこしとねぎの豆板醬炒め」を紹介します。梅雨の頃からスーパーの青果コーナーに並んでいるとうもろこしは“自然の甘み”を豊富に含んでいます。この自然の甘味は脾の機能にとても嬉しい効能を持つので、「とうもろこしの甘みを存分に引き立てるレシピ」を紹介したいと思い、甘みのねぎと辛みの豆板醤を合わせてみました。豆板醤の辛みがとうもろこしの甘みを引き立てるおススメのレシピです。

 

作り方は、とうもろこし(1本)を皮つきのまま10分間蒸した後、皮をむいて5cm幅の輪切りにした後、それを4つ割りにします。ねぎ(1本)は4cm幅、豚肉(200g)は一口大に切ります。フライパンを熱して、豚肉・ねぎ・とうもろこしの順に炒め、オイスターソース(大さじ2)・豆板醤(小さじ1)・コチュジャン(小さじ1)を加えて、全体に味がなじんだら出来上がりです。

 

とうもろこしは「おなかのコンディションを整えて、身体の熱を取り除く」働きが、ねぎは「おなかのコンディションを整える」働きが、豚肉は「身体に気と血を補う」働きが期待できます。この3種類の食材を合わせることで、効能としては「身体に気・血を補って、おなかのコンディションを整える」ことが期待できて、まさに“おなか(=脾の機能)”のための食材の組み合わせになっています。

 

調味料として用いた豆板醤は「おなかのコンディションを整えて、身体の熱を取り除く」働きが期待できます。夏土用に意識したい「脾の機能にうれしい食材」に加えて、「脾の機能にうれしい調味料」を使ってみました。豆板醤は寒性の食材なので「身体の熱を取り除く」働きが期待できますが、この働きはとうもろこしにもあります。とうもろこし単独だと期待できるのはほのかな作用ですが、豆板醤と合わせることで「身体の熱を取り除く」働きもしっかり期待できそうです。

 

調味料としてもう一つ合わせたオイスターソースの素原料は牡蠣。牡蠣は「身体に血と水分を補って、精神のコンディションを整える」働きが期待できます。“心”の状態を経由して“神”まで及んでしまった夏の暑さの影響で「不眠」の様子が見られる前に、ぜひ牡蠣の「精神のコンディションを整える」働きを摂り入れていただきたいと思って、合わせ調味料にしてみました。

 

豚肉のかわりに牡蠣、卵、ホタテを入れても良いです。ねぎは種類がいくつかあるようですが、お近くのスーパーで手に入りやすいもので大丈夫です。ねぎには「身体表面での発散作用」もあります。夏土用のベタッとした空気が肌にまとわりつくのが気になる時にはおススメの食材です。

 

季節が少しずつ移っています

再春館ヒルトップへの通勤途中の畑に、サトイモの葉を見かけるようになりました。

 

サトイモは身体の中で「消化機能を助ける」「固まったモノを解きほぐす」という性質の働きがあります。夏の暑さの影響を受けてしまった消化機能に働きかけて、身体のどこかで詰まってしまった固まりを解きほぐす。そんなサトイモが、葉っぱを大きく広げて秋の収穫の準備をせっせと行っているのを目にすると、毎年畑で見かける度に「そろそろ秋が近づいているのだな」と感じます。

健やかな身体で秋を迎えられるように、「夏土用」を少し気遣っていただければと思います。

 

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