異常さを増す夫の支配。「夫がいないと生きていけない」と思わされていた私が、息子の「ある言葉」で離婚を決意した日【2026お盆セレクション】
息子には、モラハラが「見えていた」
息子は、この家の中で起きていることの異常さを、ちゃんと感じ取っていたのです。それが、Aさんにはたまらなく悲しかったといいます。夫はAさんを無視している間も、子どもにだけは普通に話しかけていました。「ねえ、パパ、ママがパパに話しかけてるよ」子どもがそう伝えても、夫は何も返事をしません。
Aさんの存在だけが、完全に“ないもの”として扱われていたのです。無視とは、「お前は存在していない」というメッセージです。言葉による攻撃は、少なくとも「相手がそこにいる」ことを前提にしています。でも無視は違う。存在そのものを消そうとする行為なのです。その理不尽さと残酷さを、子どもは子どもなりに感じ取っていました。
そんな無視も、夫の機嫌ひとつで突然終わります。何事もなかったかのように「おはよう」と話しかけてきて、また普通の日常に戻る。その繰り返しでした。これが普通になってはいけない。そう思いながらも、Aさんにはどうすることもできませんでした。無視と並行して、監視も始まっていました。
「どこに行くのか、ちゃんと報告して」最初は軽く言われる程度でした。でも、それは少しずつ強くなり、やがて“当たり前のルール”になっていったのです。Aさんの仕事が終わる頃になると、夫は家の固定電話に連絡を入れてきました。もし出られなければ、帰宅後に追及が始まります。
ある日、帰宅が30分遅くなって…… 次ページ
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モラハラカウンセラー
麻野祐香
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