「性欲がわかない」とウイッグを大量に与えられて…。「お母さん、助けて」乳がんになった妻が、DV夫から逃げるまで
今、Rさんは治療を続けながら、実家で暮らしています。
「まだ本調子ではありません。でも、初めて自分の時間を、自分のためだけに使えている気がします」
「散歩に出ても、帰宅時間を報告しなくていいんです。電話が鳴っても、怒られると思わなくていい。誰かの機嫌をうかがわずに生きていいんだと思うと、それだけで涙が出ることがあります」
治療の経過も良好だといいます。
「病気になったことは、本当につらかったです。でも、あの結婚生活を続けていたら、自分がどうなっていたか分かりません。今は、自分の体を大切にすることが、そのまま自分を大切にすることにつながっています」
そう話すRさんの表情は、穏やかでした。
モラハラをする人は、最初から本性を見せるとは限りません。
交際中はとても優しく、愛情深い人に見えていても、結婚後に態度が大きく変わることがあります。そのため、最初から見抜くことは簡単ではないのです。相手の自由を奪い、交友関係を制限し、恐怖によってその身体まで支配することは、愛ではありません。
「嫉妬されるのは、愛されているから」
「彼を怒らせる自分が悪い」
そう思わされ続けるうちに、被害を受けている人は、次第に自分自身の感覚さえ信じられなくなってしまいます。
Rさんも長い間、その苦しみの中にいました。しかし、夫の異常な嫉妬が消えることはありませんでした。なぜなら、問題の本質はRさんにあるのではなく、夫の強い支配欲そのものにあったからです。
もし今、あなたがパートナーの機嫌をうかがうことで精一杯の毎日を過ごしているのなら、まずは自分の本当の気持ちに目を向けてください。
「怖い」
「苦しい」
「もう嫌だ」
そう感じる自分の気持ちを、否定する必要はありません。
相手の機嫌よりも、あなたの心と体を守ることを優先していいのです。
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