「偉そう」「怒ってる?」よかれと思った行動が誤解を招く…⁉ 5000人を見てきた専門家が語る「評価されない人」の共通点

2026.08.20 WORK

見えている情報量の違いからズレが生まれる

なぜ、誤解は生まれるのでしょうか?少し想像してみてください。あなたが誰かと話しているとき、相手の頭のなかには「あなた」が映っています。でもその映像は、あなたが思っている自分の姿とは違うかもしれません。

たとえば、あなたは「丁寧に説明している」つもりでも、相手には「くどい」と映っているかもしれません。あなたは「落ち着いている」つもりでも、相手には「やる気がない」と映っているかもしれません。

私たちは自分のことを、自分の「内側」から見ています。自分の意図、自分の気持ち、自分の努力。それらは自分にしか見えません。一方で、他人はあなたを「外側」から見ています。

あなたの表情、声のトーン、言葉の選び方、しぐさなどなど、他人から見えるのは外側だけです。内側と外側。この2つは驚くほど一致しません。たとえば、こんなズレがあります。

 

あなたの意図:「的確なアドバイスをしてあげたい」
相手の受け取り方:「上から目線で偉そう」

あなたの意図:「場を盛り上げたい」
相手の受け取り方:「自分の話ばかりする人」

あなたの意図:「真剣に聞いている」
相手の受け取り方:「怒っているのかな? 怖い」

あなたの意図:「慎重に考えてから発言したい」
相手の受け取り方:「何を考えているのか、わからない」

あなたの意図:「相手の負担にならないよう遠慮している」
相手の受け取り方:「私に興味がないんだな」

 

……キリがありませんが、どれもお互いに悪気はありません。あなたがよかれと思ってやっていることでも、相手には真逆に伝わっている状況というのは、思っている以上に多くあるのです。

 

心のうちにある意図は見えない

なぜ、こんなに多くのズレが生じるのでしょうか?理由は単純です。繰り返しになりますが、私たちは自分の「意図」を当然わかっているけれど、相手には私たちの「外見」や「行動」しか見えないからです。

あなたが「慎重に考えている」とき、あなたの頭のなかでは思考がフル回転しています。でも、相手から見えるのは、じっと黙っているあなただけです。あなたが「相手を気遣って遠慮している」とき、あなたの心のなかには優しさがあるでしょう。でも、その相手から見えるのは、積極的に話しかけてこないあなただけです。

意図は見えません。見えるのは、外見や行動だけ。だから、どれだけよい意図を持っていたとしても、外見や行動がその意図とズレていれば、他者には誤解されてしまうのです。そして、あなたは「なぜ、わかってくれないんだ」と苦しむことになります。

とはいえ、希望はあります。ズレは「気づけば」修正できるからです。自分の外見や行動が相手にどう見えているか、そこに意識を向けることさえできれば、ズレは縮められます。

ここまでに挙げてきたズレの例を読んで、「あ、これは自分もやってしまっているかも……」と思えたなら、その瞬間にあなたは、自分がはまってしまっているズレに気づき始めています。改善への第一歩を、すでに踏み出しているのです。

 

ここまでの記事では、自分が見ている自分と他人が見ている自分のあいだに生じる「認識のズレ」の正体についてご紹介しました。とはいえ、ズレに気づいたとたん、「やっぱり自分はダメだ」と落ち込んでしまう人もいるかもしれません。つづく関連記事では、揺らぐのが当たり前である「自信」との付き合い方と、落ち込みグセの意外な原因についてお伝えします。
つづき>>落ち込みやすい人は自分を「過大評価しすぎ」かも⁉ 人材育成のプロが教える、「自信がない」という悩みの正体

 

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著者:白石慶次
非認知能力トレーナー/MQ開発者/Podcastパーソナリティ。株式会社OnLine 代表取締役。大学卒業後、システムコンサルティング会社に入社。多様な大規模プロジェクトに携わる一方で、人材育成業務にも従事。富士通ラーニングメディア認定講師として活躍したのち、30歳のとき企業研修講師として独立。一般企業に加え、官公庁・自治体、学校法人、医療法人でも研修実績を持つ。新卒時、大企業に就職できなかった劣等感から、ビジネス書や自己啓発書を読み漁り、さまざまな資格も取って仕事に打ち込む。それでも状況が好転せず悩んでいた折、“非認知能力”に出会い、スキルやノウハウだけが人生や仕事の成果を決める要素ではないと気づく。その後、非認知能力の研究と実践を重ね、「大人の非認知能力育成プログラム」を開発し、これまで5,000名以上に提供してきた。大学との産学連携・共同研究により、講座の有用性について学術的な検証も進めている。

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