「俺の会社の金でムダ使いするな!」自分で働いた給料まで支配され…妻が気づいた“経済DV”
夫に踏みつけられていた「自分の価値」を思い出す
Aさんは、以前の同僚たちと再び連絡を取るようになり、求人情報を見るようになりました。そして、自分の給与明細や通帳も確認しました。すぐに夫の会社を辞めるわけではありません。それでも、「私は、ほかでも働くことができる」そう思えたことが、Aさんにとって大きな一歩でした。
以前のAさんなら、夫から、「お前なんて外では通用しない」と言われれば、本当にそうかもしれないと思っていました。でもAさんには、自分で仕事をし、自分で収入を得て、職場で認められていた時期があったのです。その事実を、すっかり忘れていました。
モラハラ夫から何年も「お前には何もできない」「俺がいなければ生活できない」と繰り返し言われ続けたことで、いつの間にか、それを自分自身への評価だと思い込んでしまっていたのです。けれど、それは本来のAさんではありません。モラハラによって、そう思い込まされていただけなのです。
夫が社長だからといって、家庭でも夫のほうが上になるわけではありません。夫の会社から給料を受け取っているからといって、夫に養ってもらっているわけでもありません。妻が働いて得た給料は、妻の労働に対して支払われるものです。
そして「家族だから」という言葉は、妻の仕事や時間、人生まで夫が自由に決めていい理由にはなりません。Aさんは今、夫に従うしかないと思っていたこれまでの生活を見直し、自立するための準備を始めています。
すぐに環境を変えることはできなくても、「夫がいなければ私は生活できない」という思い込みから抜け出せたことは、Aさんにとって大きな変化でした。
仕事上では社長と従業員という立場であっても、夫婦は対等です。「家族なんだから」「俺が社長だから」という言葉で妻を従わせ、仕事やお金まで支配することは、夫婦で協力することとは違います。
夫婦は、どちらか一方が上に立ち、もう一方が従う関係ではないのです。
<<この記事の前編:「俺が社長なんだが?」バリキャリだったのに「夫の会社」に入った日から地獄は始まった。夫婦の日常にまで持ち込まれた上下関係
取材・執筆 麻野祐香
モラハラ/HSP専門カウンセラー。モラハラで悩む方の心を守ることを使命とし、カウンセリングとTikTokライブでモラハラとHSPで悩む方のサポートを続けている。モラハラと夫は別れるべきと勧められることが多い中、離婚をしたくても事情があって別れられない人々の為に、モラハラ夫からの自分の心の守り方を発信。
https://www.be-nect.com/general-8
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