親の介護費用、子どもが払うべき?金額の目安は?知っておきたい「親のお金」の話

2026.08.29 LIFE

親の介護が現実味を帯びてきたとき、多くの人が気になるのがお金の問題ではないでしょうか。「介護費用はどれくらい必要?」「もし足りなかったら子どもが負担するの?」と不安になりますよね。

実は、介護は親の年金や財産の範囲でまかなうことが大前提。そのためには、親が元気なうちに資産や収入、支出の状況を把握しておくことが重要です。

とはいえ、お金の話は切り出しにくいもの。本記事では『親が75歳を過ぎたら知りたいことが全部のってる本』から、介護費用の考え方や、親のお金で確認しておきたいポイントを紹介します。

※本記事は書籍『親が75歳を過ぎたら知りたいことが全部のってる本』(主婦の友社)から一部抜粋・編集したものです
※監修:黒田尚子(1級FP技能士・一般社団法人患者家計サポート協会顧問)

 

親の介護は親自身のお金を使う

介護のお金はいくらかかるかではなく、いくらかけられるか

親の介護にかかる費用が、いくら必要なのかは重大な問題。「十分な介護のために足りないお金は、自分が払うしかないのでは」と不安になるかもしれませんが、介護は親の年金と資金の範囲でまかなうのが大前提です。ですから「介護にいくらかかるのか」ではなく、「いくらまでなら、費用をかけられるのか」と考えて。

とはいえ、世の中の相場は知っておきたいものです。生命保険文化センターの調査によると、介護期間の平均は55カ月(4年半)。毎月の平均介護費用は約9万円。初期費用(一時的な費用)をプラスしたそう介護費用の平均は約540万円になります。

平均介護期間だと、1年間に100万円以上かかる計算です。ただし、これはあくまで平均値。実際には、高額をポンと出せる人と、できるかぎり出金を抑えている人がいます。それでもこれを一つの目安にして、「わが家なら介護費用をどれだけかけられるか」と考えてみてください。

まれに相続分を残すために介護にお金をかけようとしない人(親も子どもも)がいますが、親の遺産が“争族”化の原因になることもあります。

 

【用語】特別寄与

長期にわたる家族による介護は、故人に対する無償の労務提供であり、特別に寄与したと認められた場合、介護に貢献した人が相続人ではない場合(子の配偶者など)でも、特別寄与料を相続人に対して請求できる。

 

介護にかかる費用の目安

介護にかかるお金(平均)

1)一時期的な費用 47.2万円
2)毎月の費用 9.0万円
3)介護期間 55カ月

1+2×3で考えると…総額約540万円

 

場所別介護費用の平均額(月額)

在宅:5.3万円
施設:13.8万円
出典:生命保険文化センター「2024年度生命保険に関する全国実態調査」

施設のほうが高いのは、月額費用の中に居住費(家賃)や食費、光熱費などが含まれるから。在宅介護の場合はこれらを別に払っているので、「施設介護はお金がかかる」とは言い切れない。

 

要介護度が上がると介護費も上がる

介護にかかる費用は、要介護1が最も少なく、要介護度が上がるにつれて増えていきます。介護保険以外のサービスの利用が増え、紙おむつなどの衛生用品の購入も必要になるからです。

認知症があるとさらに費用が増える傾向があります。認知度が低下しても体が元気な場合は、要介護度が低く設定されがち。そのぶん支給額の上限が低くなり、自己負担分が増えてしまうこともあります。

 

親の財産は使いやすい形に仕分け

財産の仕分けをしながら相続の話ができればベスト

「介護と相続はワンセット」と前述しましたが、親の財産を聞いておくと、親が亡くなったあとの手続きがスムーズになります。年金や財産の額はもちろん、「どの口座から何のお金が引き落とされているか」確認を。エンディングノートなどに記入するとよいと思います。

親の財産を聞いたら、通帳や保険証券などの原本を確認することも忘れずに。

【銀行口座】
いくつもの口座がある場合、年金受取口座や公共料金引き落とし口座などを1~2つに絞って、あとは解約するのがおすすめ。定期預金を普通預金にかえる手続きも、本人ができるうちにしてしまいます。預金通帳と印鑑の組み合わせを確認することも忘れずに。

【有価証券】
認知症になると売買できませんので、儲けが出るなら売却も検討。

【生命保険】
受取人が故人になっていることもあるので、保険証券をチェック。入院時に代理請求できるよう家族登録の届出をしましょう。

【所有不動産】
所在地の確認も忘れずに。

【借金など】
負債はトラブルのもと。教えてもらいましょう。

 

▶「親のお金の確認リスト」をチェック

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