【40代編集長の婚活記#17】婚活パーティからデートへ持ち込むには?
やっと来たエリートさん。遅刻の理由は?
……と思った矢先にふすまが開いた。エリートさん、やっと来た!!! なんで連絡なしに25分も遅れてきた⁉エリート「久しぶり。早いね」
ん⁉ 「早いねじゃないですよ、なんでこんなに遅れたんですか?」……と言おうとした瞬間、「お品書きのご説明させてもらってよろしいですか」と店員さんが入ってきた。店員さんにも悪いので、一旦、出かかったその言葉を飲む。
何事もなかったように着席し、注文をするエリートさん。なんなんだ? 仮にも初デートに25分遅刻して平然としているその様は? 頭の中が疑問符だらけ。店員さんが部屋を出ていき、2人きりになる。まずは遅刻した理由を説明するよね?
エリート「落ち着いたの? 親族のかたの件」
まずは遅刻の理由を話すんじゃないの? と思ったが、ここは落ち着こう、大人になろう。それに心配かけたことは事実だし。
アサミ「ええ、まぁ。すみません、当日にキャンセルしてしまって。悲しいけれど同級生が病気で亡くなったりする年齢になったんだなと思いましたね……」
エリート「そう? オレの周りまだないよ。30代でしょ?」
アサミ「私? 違いますよ、44歳」
エリート「あれ、そうなの? てっきり年下だと思ってた。あ、そう。じゃ3歳上なんだ。若く見えるね」
なんだその反応。悪いかよ、年上で。なんだかイラッとしてきたぞ。敬語で話すのがあほらしくなってきたし、若く見えると言われて普通なら「そんなことないですよ」と大人の対応をするのだろうけれど、あえてそれをしたくなくなった。
アサミ「……よく言われる」
婚活パーティで好感を持たれた理由は?
「エリートさん、いい人かも」と思っていたのに、会って10分足らずでその気持ちが早くも崩れていく。しかも彼の話し方がちょっと気になる。年下だと思っていたから? なんとなく自分が年上であることを強調したくなってきた。遅刻の件は気になるがちょっと置いといて、まずは相手の話を聞いてみるお姉さんモード、スイッチオン。
アサミ「この間はたいして話してないのにさ、何でまた会おうと思ったの?」
エリート「社交的な感じだったから。みんなに話をふったりしてたし」
あら、仕切り屋はモテないと思ったが、それに好感を持った人もいるのね。それはよかった。
エリート「出版社勤務って言ってたから人と話すの得意そうじゃん」
なんだその思い込み。私は得意なほうだけど、出版社勤務だってコミュ障はいる。
エリート「オレも仕事柄いろんな人と話すからさ、明るくて社交性がある女性のほうがいいんだよね」
ふーん。明るいね。単純だがそれもポイントのひとつなのか。
エリート「オレの友達とかともフランクに話せる人がいいし」
おしゃべりな女が苦手な男性もいるけど、よかったでしょうか、だいぶおしゃべりですけど。
アサミ「婚活パーティはいつから参加してるの?」
エリート「2年前くらいかな」
けっこう長く婚活やってるんだ。
アサミ「いい人いなかったの?」
エリート「何回か会った人はいたけどね。続かなかった」
エリート「そういえばアサミさんゴルフやるんでしょ? 行こうよ、今度」
彼にとってはゴルフをやるというのもポイントか。いわゆる共通の趣味ってヤツね。確かに、つきあう人がゴルフやるというのは、長い目で考えると私にとってもうれしいかも。だけど……。
アサミ「ドヘタくそだからよく知らない人とゴルフに行くのはちょっと……」
エリート「大丈夫だよ、オレの友達とかと一緒なら」
いや、あなたの友達はあなた以上に知らない人だからもっと大変なんだってば……。
しかし、婚活パーティで私ともう一度会おうと思った理由は「社交性」と「明るいこと」と「ゴルフ=共通の趣味」ってことね。フムフム。
25分の遅刻の理由をいまだに話してこないエリートさん……。
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