「シミ・シワ・たるみ」だけじゃない!ピリピリ痛む、ムズムズする…更年期に増える肌の違和感、原因は女性ホルモン?肌への影響を専門医が解説
「最近、シミやシワが増えた気がする」「肌のハリがなくなって、なんだか老けて見える…」。そんな変化に戸惑っていませんか? スキンケアを頑張っているのに思うような効果を感じられないと、気になりますよね。更年期に起こる女性ホルモンの変化は、心や体だけでなく肌にも影響を及ぼします。
本記事では、更年期医療のスペシャリスト・寺内公一氏の著書から、更年期とシミ・シワ・たるみの関係、そして毎日の生活で取り入れやすいセルフケアについて紹介します。
※本記事は書籍『「更年期かな?」と思ったら最初に読む本』(寺内公一:著、たかはしみき:マンガ/主婦と生活社)から一部抜粋・編集したものです
※イラスト/岡本典子
更年期は「シミ・シワ・たるみ」に影響する?
エストロゲンの減少によって肌の乾燥が進む
こんなことが気になる!
・シミやシワが増えた
・肌にハリがなくなった
・肌がムズムズする
エストロゲンを受け取る受容体は体のいたるところにあり、皮膚にもあります。そのため、エストロゲンの分泌量が少なくなると、皮膚もその影響を受けます。
エストロゲンとエストロゲン受容体は、鍵と鍵穴のような関係です。両者が結合すると細胞は刺激を受けて働き出しますが、結合できないと働きは低下します。
皮膚組織に対するエストロゲンの関わりを調べた研究では、エストロゲンの減少により、コラーゲン量と水分量の低下、皮膚の菲薄化(ひはくか:薄くなること)、皮膚の弾力低下(たるみ)、シワの増加が報告されています(※1)。
皮膚が乾燥しやすくなるため、こうした皮膚状態のときにホットフラッシュが重なると、大量の汗によって乾燥が進むことがあります。
更年期には皮膚の違和感も現れやすくなります。たとえば、皮膚がピリピリと痛んだり、蟻が皮膚の上をはっているような不快感(蟻走感/ぎそうかん)を訴えたりする人もいます。
こうした症状で日常生活に支障がある場合、ホルモン補充療法によって皮膚のコラーゲンの量、皮膚の厚さ、水分量が向上することが報告されています(※2)。
また加齢による影響に加え、長年浴び続けた紫外線の影響も現れます。光老化(ひかりろうか) とは、紫外線を浴びることで、シミ(色素沈着)やシワ、乾燥などが起こる皮膚の老化現象のことです。
セルフケアとしては、十分な保湿ケアと紫外線対策を行うことが大切です。
〈セルフケア〉保湿と紫外線ケアをこまめに行いましょう
保湿ケアにシートマスクを利用してみましょう。安価なものでかまいません。3分ほどパックしたあと、乳液などで水分の蒸発を防ぐと肌がしっとりします。
外出時は、日傘などで紫外線から肌を守りましょう。紫外線は曇りの日でも多く、また窓ガラスをすり抜けます。室内にいても、日焼け止めは忘れずにつけましょう。
【積極的にとりたい成分】
・ナイアシン(落花生、かつおなど)
・ビタミンC(ピーマン、いちごなど)
※1 Brincat, et al. Climacteric. 2005 Jun;8(2):110-23.
※2 Brincat, et al. Br Med J (Clin Res Ed). 1983 Nov 5;287(6402):1337-8. /Sator, et al. Maturitas. 2001 Jul 25;39(1):43-55./Chen, et al. Skin Res Technol. 2001 May;7(2):95-7. /Sumino, et al. Maturitas. 2009 Jan 20;62(1):53-7.
女性ホルモンの「エストロゲン」って?
エストロゲンは、主に卵巣から分泌され、乳腺や乳房、子宮に作用して女性の体の機能を整え、妊娠・出産に大きく関わります。
また、血液にのって全身をめぐり、肌をつややかにしたり、血管をしなやかにしたりする他、骨や脳などにも作用して、組織や臓器の健康維持に重要な働きをしています。
自律神経を安定させるなど、気分の安定やストレスの軽減にも影響を与えています。
「更年期」(おおむね45~55歳)は、卵巣機能が衰え始め、やがて閉経へと向かいます。エストロゲンの分泌量が急激に減少する“ゆらぎの時期”で、不調が現れやすくなります。
ここまでの記事では、更年期と肌悩みの関係について紹介しました。つづく関連記事では、更年期に太りやすくなる理由と対策をお届けします。
つづき>>更年期の「お腹ぽっこり」、実は病気リスク上昇が潜んでいる?ヤセなくなる原因は?更年期医療のスペシャリストが教える「食事のセルフケア」
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■著者:寺内公一(てらうち・まさかず)
東京科学大学(旧東京医科歯科大学) 教授。医学博士。産婦人科医。長年にわたり更年期障害や骨粗鬆症など「ゆらぎ世代」の女性の診療に従事。日本に数少ない更年期医療のスペシャリスト。中高年女性特有の「うつ・不安・不眠」といった心の不調から、加齢に伴う体の変化、さらに食事やサプリメントが女性の体に与える影響まで、心と体の両面から多角的な研究・診療を行っている。最新の科学的エビデンスに基づきながらも、一人ひとりの悩みに優しく寄り添うわかりやすい解説に定評がある。
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