脂肪燃焼を促し、肌が若々しくなる「アンチエイジングホルモン」って?痛みの軽減や認知症予防まで!知っておきたい「9つの効果」【産婦人科医が解説】
美肌やダイエットに役立つだけでなく、ストレスの軽減や安眠、人間関係の改善にも関わるとされる「オキシトシン」。近年、「幸せホルモン」や「アンチエイジングホルモン」として注目を集めています。
本記事では、産婦人科医・山村菜実氏の著書から、オキシトシンがもたらす9つの効果について紹介します。
※本記事は書籍『子宮を愛してあげよう 大人女子の悩みを解決するオキシトシンと子宮ケア』(山村菜実:著/現代書林)から一部抜粋・編集したものです。
オキシトシンってこんなにすごい!
オキシトシンのハッピー効果(1)「ストレスを軽減する」
「明日は苦手なあの人と会わなければいけない」「仕事が思うように進まない」
このように私たちがストレスを感じているとき、体の中では「ストレスホルモン」と呼ばれるホルモン(コルチゾール)が分泌されます。
これは、いわばストレスに対抗するために私たちの体に備わっている防御機能です。
ところがこのホルモンが過剰に分泌されてしまうと、胃が痛くなったり、お腹を壊したりするなどの不調が起こってしまいます。
このストレスホルモンの過剰な分泌を抑えてくれるのが、オキシトシンなのです。
また、オキシトシンにはセロトニン、ドーパミンの分泌を促す作用があることがわかっています。
セロトニンもドーパミンも「幸せホルモン」と呼ばれる物質です。セロトニンは気分を安定させる作用、ドーパミンはポジティブにしてくれる作用があります。
つまりこれら3つの幸せホルモンの「相乗効果」でストレスを緩和してくれるのです。

3つの幸せホルモンがストレスや不安を解消してくれる
オキシトシンのハッピー効果(2)「不安感を解放する」
不安が強いときは、血圧が高くなったり、心拍数が増えたりするものですが、オキシトシンには心拍数を落ち着かせ、血管を広げて血圧を下げる効果があります。
また、オキシトシンを点鼻薬として使うことで不安障害が改善したという研究結果もありますし、オキシトシンをうつ病の治療に利用できるのではないかという見地からの研究もはじまっています。
さらには、オキシトシンは精神的な安らぎを与えるセロトニンの分泌を促すとお伝えしましたが、セロトニンにも不安を解消する作用があります。
オキシトシンはさまざまなアプローチで、私たちの持つ社会的不安を和らげる働きをしてくれるのです。
オキシトシンのハッピー効果(3)「リラックスする」
みなさんもご存じのように、私たちの体は自律神経によって保たれています。
呼吸や体温、血圧、心拍、消化、代謝、排尿などは、私たちの意志とは無関係に、自律神経が調節してくれるわけです。
自律神経には活動しているとき、興奮したとき、ストレスを感じたときに活性化する「交感神経」と、睡眠中、休憩しているとき、リラックスしているときに優位になる「副交感神経」があります。
副交感神経が優位になると心拍や血圧が低下して、ストレスも緩和されます。
オキシトシンはこの副交感神経を優位にすることで、リラックス効果をもたらしてくれるのです。
「今日は緊張が続いた」とか「頭にくることがあってイライラしている」などというときは、意識してオキシトシンを増やす行動をしてみるといいかもしれませんね。
オキシトシンのハッピー効果(4)「安眠できる」
前述のように、オキシトシンにはセロトニンの分泌を促す効果があります。セロトニンは眠りのために必要なホルモン「メラトニン」の材料となる物質です。
メラトニンは体内時計を調節して眠りを誘う作用のあるホルモンで、別名「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。
このメラトニンがしっかり分泌されることで、睡眠の質が向上し、安眠できるのです。
ところがこのメラトニン、加齢とともに減少してしまう傾向にあります。
高齢者が「よく眠れない」「夜中に目が覚めてしまう」などと訴えるのは、メラトニンの減少も理由のひとつです。
メラトニンをしっかり分泌し、安眠効果を得るためにも、オキシトシンは重要な役割を持っているのです。
オキシトシンのハッピー効果(5)「肩こりや腰痛が軽減する」
20代のうちはなんともなかった体も、30代になるとあちこちコリや痛みが出てきたりします。デスクワークによる肩こりや、特に子育て中のお母さんは、腰痛で悩んでいる人も多いと思います。
オキシトシンは、この体の痛みを軽くしてくれる作用があります。
私たちの体は、痛みを感じると「β‐エンドルフィン」という痛みを和らげるホルモンが分泌されます。オキシトシンはこのβ‐エンドルフィンを増やしてくれる作用があるのです。
ラットを使った実験では、オキシトシンが分泌されることで明らかに痛みが減少するという結果が出ています。
オキシトシンのハッピー効果(6)「ダイエットに効果がある」
オキシトシンには、うれしいことに脂肪を燃焼させ、ダイエットにも効果があることがわかっています。
ラットやマウスの実験ですが、オキシトシンを投与すると脂肪の燃焼が促進されるという結果が出ているのです。
さらにはオキシトシンには、食欲を抑制し、過食を防ぐ効果があることもわかっています。
つまり、オキシトシンが十分に分泌されていれば、食欲がセーブでき、肥満を予防・防止できるのです。
実際に「肥満治療薬」としての研究もはじまっていて、将来的にはオキシトシンを投与することで、脂肪燃焼を促して肥満の予防・治療ができると考えられています。
オキシトシンのハッピー効果(7)「アンチエイジングに効果がある」
最新の研究では、オキシトシンは肌の細胞からも分泌されていて、表皮細胞と真皮細胞に働きかけて、肌の幹細胞を元気にする作用があることがわかりました。
幹細胞とは、皮膚細胞の再生を担う細胞です。幹細胞が元気になることで、細胞の再生が促進されるのです。
つまり、オキシトシンが増えればお肌が若々しくなるということです。オキシトシンは「アンチエイジングホルモン」でもあったのです。
オキシトシンのハッピー効果(8)「人間関係がよくなる」
オキシトシンは、他人とのつながりや信頼関係を築くうえで、とても大事な働きをしてくれます。
オキシトシンがしっかり分泌されている状態であれば、家族や仕事仲間との信頼関係が高まり、絆を深めることができるというわけです。
それによって家族関係ももちろん円満になるし、仕事のパフォーマンスもアップします。
職場の人間関係がギスギスしていると、やる気がダウンしたり、業務にも支障が出たりしますよね。いい仕事をするためにも、仲間との信頼関係はとても大事なことです。
オキシトシンのハッピー効果(9)「まだまだある、すごい効果」
このほか、オキシトシンは免疫力をアップさせることもわかっています。
冬に風邪をひきやすかったり、感染症にかかりやすかったりする人は、ぜひオキシトシンを活用して免疫力を上げましょう。
さらに、オキシトシンを活用した認知症の予防や自閉症児の治療にも期待が集まっています。オキシトシンは、未来の医療界のエースとして活躍してくれるはずです。
ここまでの記事では、「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシンが、心と体にもたらす9つの「ハッピー効果」についてご紹介しました。つづく関連記事では、オキシトシンを増やす方法をお届けします。
つづき>>「幸せホルモン」の分泌しやすさは子ども時代に決まる?「オキシトシン」の特性と、すぐできる増やし方【産婦人科医がコツを伝授】
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■著者略歴: 山村菜実(やまむら・なみ)
医療法人財団小畑会浜田病院理事長。東京都生まれ。東京女子医科大学医学部医学科卒業後、東京慈恵会医科大学附属病院勤務。産婦人科専門医を取得後、2019年に東京美容クリニックを開設し、婦人科領域の美容医療にも携わる。2023年日本最古の産婦人科病院、浜田病院理事長就任。女性の悩みすべてに寄り添う丁寧なカウンセリングにファンも多い。プライベートでは3児の母。
《所属学会・認定資格等》
日本産科婦人科学会専門医、日本医師会認定産業医、日本抗加齢医学会専門医、日本周産期・新生児医学会正会員、日本美容皮膚科学会正会員、日本女性医学学会正会員、日本東洋医学会正会員、日本人類遺伝学会正会員、日本毛髪科学協会認定毛髪診断士
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